●SW EP2をDLPで見てきた:Episode3
ジェダイ評議会に推奨されていたFinal Cut Pro(笑)とDLPの話
先日DLP上映を見てきた感想を書いてみたのですが、StudioOrcaのみつやすひろさんが
違和感無かったですか?
とのご質問。みついさん的には
僕はトイ・ストーリー2の時に有楽町マリオン(今はDLPじゃ無くなっちゃったんですね)で見てきたんですが、非常にノイズの少ない映像は、ほんとにでっかいTVを見ているようで、映画にしてはきれいすぎるぅって(笑)逆にちょっと違和感ありました。
というご感想です。TI社のお仕事を離れてのトークですね(^_^)。 ハイ、確かに賛否両論ある問題でしょうね。しかし、わたし的には全然オッケーです。これはある種、レコードがいいかCDがいいかといったお話ですよね。
レコードからCDへの変遷は、そもそもレコードの記録方法がそれしかなかった(音質、量産面で最善であった)時代に、ノイズや裏返す「間」など、当初別に望んでいなかった副産物が、ノイズのほとんどないデータ処理によるCDの登場によって、長年親しまれてきた故の「味」としてクローズアップされているわけです。
映画も同様で、映像を記録する手段として写真をたくさん記録してパラパラ漫画方式で再生すると動いて見えるという発明に端を発して、娯楽産業その他に発展してきたわけですね。ここでフィルムのノイズ感や色合い、経年変化、フィルム特有の現象といった「別に望んでいなかった」ものや成長過程でフィルムなりに改善・開発されてきた部分が「味」となっているのだと思います。
CDにわざわざスクラッチノイズやヒスノイズをミックスしたり、フィルムノイズ系のフィルターやエフェクト、24コマという「フィルムのルール」が人気なのもこうした「理屈ではない、味」や独特の質感がレコードやフィルムにあるからですよね。
そこにフルデジタルの映画が登場すれば、CDが登場したときのような「味」まで含めたファンの方のご意見というのは出ない方がおかしいとさえ思いますので、逆に世に問うたルーカス監督としてもこのような議論は望むところでしょう(笑)。
そういった意味では、個人的にもフィルム自体に特にこだわりはありませんし、CDが出た瞬間真っ先に導入促進したクチなので、DLP上映も「あんなにでっかいテレビ、今までなかった!」といった受け止め方をしております(笑)。映画もほとんどDVDで見ていますし、DVDにするときはノイズ取っちゃうじゃないですか(笑)。
そもそもあんなに大画面にあれだけの高精細・鮮明さで映画を映すには「フィルムしかなかった」わけですから、監督によっては(ルーカス氏以外にも)「邪魔なノイズ」「フィルムじゃ再現できない」と感じている方もいたかもしれないわけでして、映画にしては綺麗すぎることにこそ意味があるのだと思っています。まあCDも過渡期には様々言われて改良が進んだわけですから、DLPやD-ILAなどのデジタル上映も今後の成長が楽しみといったところでしょうか。
そういった意味では、「映画の雰囲気」を得るにはビデオでもわざわざフィルムノイズを付加したりフィルムをシミュレートし、内容そのものを楽しみたいときにはそうした副産物は不要とも言えると思います。
HD24P収録は「今の技術でノイズを排除しつつ、また制作過程の合理性を享受しつつ24コマの質感を得る」ことに挑戦しているわけで、コストや制作期間にも関わる問題ですから、制作側としても大きな問題です。
(というよりは、撮影時間やその後の編集での扱いやすさの比重の方が大きいのかもしれませんが。)
そうそう、見落としていたのですが、みついさんが2002.7.17のトピックで紹介されておりました、「www.starwars.com」のQ&Aでジェダイ評議会がFCPとiMacを推奨しているという記事。
ジェダイ評議会に質問してみよう!のコーナーで「高校を卒業したんだけど、映画プロデューサーになるにはどうしたらいいか」という質問に、マッカラム氏が「iMacとFinal
Cut Pro、そしてビデオカメラを買いたまえよ、君!」と答えております。(彼はジェダイだったのか(笑))。「編集は考えちゃいかん。フォースを使うのだ!」(注:これは言ってません)。ということで、みついさんもFCPに乗り換えされた際にはご一報くださいませ。
それからエンドロールの内容(スタッフリスト)はこちらにありました。
EP1のメイキングではAvidを使ってる様子が映ってましたが、EP2のメイキングが楽しみだな〜。
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