DIYで高速RAID-導入編

先日、新しくRAIDを組みました。


r0010185-sファイナルカットスタジオ2 (FCS2)へのアップグレードに併せ、基本的にDVレベルだったHDDの環境を、それなりの(重い)素材にも対応できるようにしました。

今までは、お仕事先の環境でXserve RAIDをしつらえたり高速RAIDを組んだり使ったりということはあったものの、自前の環境はDVベース。

一応、PowerMac G5やMac Proの内蔵HDDでも十分事足りるところに、マルチクリップ編集などを行ったりするのに多少でも速いドライブのほうがよいかと思い、秋葉館で販売している秋葉館オリジナルeSATA PCIカード(PCI-X) を刺してTwin SATAN 秋葉館オリジナル 3.5″ Dual eSATA Case (CenturyのニコイチBOXにHDDを2台セットしたモデル)をMac OSでストライピング(RAID 0)にしたものをワークスペースに使っていました。(補足:ここまではPowerMac G5)

コンセプトはDIY低価格で、これでもパフォーマンスはそこそこではあったのですが、、、

FCS2を少し触ってみたところ、この環境ではちょっと心もとない状況かと思いはじめ、容量も多少増やしたいと思っていたので、いい機会ですので非圧縮HDでもなんとかいけるくらいのRAIDを組んだというわけです。(補足:ここからMac Pro)


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心もとない内容としては、Motionのオプティカルフロー解析ファイルがざっと見た感じとにかく重くて大容量で高速ストレージは必須のようだし、いつかは本格的に扱うであろうApple ProRes 422 のHDフォーマットも、圧縮効率が高いとはいえマルチストリーム再生には速度に余裕があったほうがいいだろうし、長尺の作品作りには容量の増設も必要だろうという気がします。

(図はオプティカルフロー解析ファイル。3秒程度のクリップだが、320MBを消費。QTではなく独自の形式の模様)

また、これはFCS2に限りませんが、Soundtrack Proの各種解析や処理、DVD Studio Proでの「構築(build)」などなど、ストレージの速度に左右される処理というのはごく普通にあるわけです。

こうした理由から、当初は同じHDDケースとHDDをもう一組購入して、単なるポート増設のみだったeSATAカードをRAIDカードに置き換えようと思っていたのですが、、、

当初の予定的にもとりあえずeSATAポートが4つ要るので、当サイトでもキャンペーンでご協力いただいているMAXSERVE さんに相談したところ、マシンがMac ProなのでRAIDカードはHighPointのRocketRAID2314 PCI-Express がいいのではないかということに。

(そもそもの発端はMac Proに入れ替えてPCI-X用のeSATAボードが使えなくなったので、なんにしてもPCI-ExpressのeSATAカードが必要になったってことなんですけどね。なので、RAIDはともかく「4ポート」で探してみたのですが、結局Mac/PCI-Express対応の4ポートだと今のところ最低でも2〜3万円以上のRAIDカードしかないようです。)

これで単純にHDD2台/ポート2口のケースを2つ(HDD4台/ポート4口)のストライピングが可能です。

とはいえ やはりHDDケースの冷却性能や電源などの容量・耐久性などを踏まえた上で検討してみれば、テンポラリーとはいえ業務で高速なRAIDを組むのにただHDDが入るだけのケースを使うのもいささか無謀な気もしたので、「eSATAのRAIDケースはどうなんだろう?」と思ってサイトを徘徊してみると、当てにしていた秋葉館/Centuryのドライブドアシリーズ はPCI-XのG5用しかなく、Mac Proで使えるものは今のところ無いことが判明。

そこで他社製品をみてみたのですが、RAIDON SR6500-5-W で143,850円(税込)、RATOC SA-DK5ES-PE でも89,250円(税込)と、結構いい値段するのでひとまず却下…

と思ったら、MAXSERVE NA-710C が5ベイ/ホットスワップ/ポートマルチプライヤ対応で税込み63,000円、さらにこれとRocketRAID2314のセット が89,250円(それぞれ単品だと計92,400円、いずれも税込)。
r0010176-s RATOCのSA-DK5ES-PEもeSATAカード付きで同じ値段ですが、こちらは単純なeSATAインターフェース(ポートマルチプライヤ対応)なので、 RAIDはOSで組む必要がありますし、付属の専用カードのポートも1口。

一方NA-710C RAIDカードセットだと、同じくポートマルチプライヤ対応の上に4ポート、かつOSに依存しないハードウェアRAIDが組めるですね。

同じ値段でもケース(エンクロージャー)のデザインや質感は段違いに良いですし。

これにSeagateのエンプラ向け高信頼モデル、Barracuda ES 320GB(時価11,000円)を5台投入し、合計148,500円で1.5TBの高速RAIDが完成です。

(あくまでワーク用のお手軽テンポラリーストレージを考えているので、データ復旧が可能なRAID 5ではなく速度重視のRAID 0。このためHDDくらいは一応信頼性重視にしてみました。もちろん、冗長性を重視してRAID 5の運用も可能。)

ざっと調べた限り、eSATAのRAID製品で1.5TBあたりだと軒並みカードは別で最低20万円は超えます。ケースの性能差がそれほどあるとも思えないですし、そう考えると、今回のようにSOHOで安価に高速RAIDを組む以外にも、例えばメインがXserve RAIDのようなFibre Channel系の本格的な非圧縮HD対応環境でも、レンダリング用の安価な追加ワークスペースとしてなら負荷分散にもなるし、レンダリングファイルなら仮に消失しても最悪の結果にはならないのでよいのではないかと思います。

現在MAXSERVEさんではビデオ用途に特化したサポートは原則行っていない(ケース/カードのサポートのみ)ので、このあたりの割り切り次第でコストパフォーマンス重視の選択ができるかと。

r0010181-sまた、今回のセットはポートマルチプライヤ接続なので使うポートは一つ。つまり、3ポートはフリーなので、2ポート使って元々使っていたTwin SATANも活かせるというわけです。

なお、Mac Proの内蔵ベイにも2台ストラピングしたドライブを入れていたのですが、ワークスペースはeSATAにまとめ、これをRAID 1のミラーリングに組み直してプロジェクトファイルや書類関係など重要なものを置くスペースにしました。

MAXSERVEさんは、より高速化が望めるマルチレーン仕様のケース/カードのセット販売キャンペーンを提供くださっています。
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