Daily Archives: 2006年2月5日

インターレース/プログレッシブ

従来のSD(標準精細度、NTSC/PAL)と、HD(高精細度)の一部の放送フォーマットでは、インターレース(飛び越し)スキャンという走査方式を採用しています。

インターレースは1フレーム(1/30秒)あたりの横の走査ラインを奇数ラインと偶数ラインに分けて(0.5/30秒)それぞれを「奇数フィールド(=1,3,5,7〜485)」「偶数フィールド(2,4,6,8〜486※)」と呼び、始めにどちらかを画面の上から順に描いて、その後にもう一方を描画します。


※デジタルビデオとしてのNTSCのいわゆるD1解像度は横720×縦486ピクセルですが、このうち縦の486ピクセルというのはおおよそアナログNTSC信号の走査線数である525本を元にして、デジタルビデオ用の規格として決められています。

インターレースは元々は、放送上、電波の帯域幅をなるべく減らすために考えられた方法で、結果としてコマ数が増えるため(1フレーム=2フィールド(2コマ))、動きが滑らかになるという効果があります。

一方困った事もあり、ビデオの1フレームを静止画にしたり、(インターレース処理に対応していない場合の)液晶テレビやPCモニターで動画を見た際、動きのある部分がクシ状のギザギザになってしまいます。これは、各フィールドが時間差で0.5/30秒分ずれているのを一枚の静止画にしているためです。

液晶パネル(テレビ/PC)やPC用のブラウン管モニターでも動画にギザギザが現れるのは、これらのモニターがプログレッシブ(順次)スキャン方式であるためで、これは1フレームを奇数・偶数・奇数…と素直に一回で描画する方式であるため、静止画にしたときと同じように、再生する動画がインターレースであった場合、0.5/30秒分の誤差を持った各フィールドを一回で描くからです。

DVDプレーヤーや最近のテレビでは「プログレッシブ対応」というものが多くなっていますが、現在の液晶(パネル自体)は構造的にプログレッシブであるのと、PCやDVDなどの単体でつながる機器は放送帯域幅などを気にする必要がないために、DVDでは対応機器同士の場合、PCでは従来から、プログレッシブスキャンが採用されているわけで、後発規格で帯域などにも考慮したHDフォーマットでも、複数方式のいくつかで採用されています。

こうした違いは「出力先」によって問題になったりならなかったりしますが、最終的に静止画にしたりPCで見るコンテンツを作る場合、またはHDのプログ レッシブ方式でマスタリングする場合などはインターレースは関係ないですから、インターレース素材はプログレッシブに変換が必要になります。

HDのプログレッシブの場合は、まず簡易セットアップ(かシーケンス設定)で該当するものを選びます。

また、どのシーケンスであっても、インターレース素材をシーケンスに使用したり静止画で抜き出す※※場合は、FCPに標準の「インターレース除去」フィルタ、あるいは(画質に差が出る部分ですので、必要に応じて)サードパーティーのインターレース除去フィルタをクリップに適用します。

※※静止画の場合は縦横比なども変える必要があるので、何もせずに書き出してAdobe Photoshopのインターレースフィルタや解像度変換などで後処理する手もあります。

なお、PCで見る動画コンテンツなどでは、DVなど素材ネイティブのインターレースシーケンスで通常通り編集して、MPEGやSorensonなど、最終的に見るフォーマットにエンコードする際、エンコーダーの設定でインターレースを除去します。


(Compressor 2)

HD/SDの優先フィールド

※この記事は「優先フィールドについて」と関連していますので、
こちらもお読み下さい。
(2009.4.30)

SDは優先フィールドが偶数ですが、HDのインターレース(1080/60iとか、”i”がつくフォーマット)は奇数が優先になっており、この「優先フィールド」の違いが、HD(高精細度)時代には一般的にしばしば問題となってきています。

どちらかのフォーマットだけで完結すれば気にする事はありませんが、例えばベースのシーケンス(というかマスター)がNTSCで、そこにHDの素材を混在させたいときなどは、HDの優先フィールドが逆なので、そのままでは、レンダリングすると先に来る絵と後に来る絵が逆になるので、動きのある部分がカクカクして非常に見にくく不自然になってしまいます。(逆も同じ。また、見にくいだけでなく、極端な話「素材の改変」という問題になりかねません。)


このような事態を避けるには、優先フィールドを統一する必要があります。

とはいっても難しい事をする必要はなくて、FCP5であれば「シフトフィールド」フィルタを適用すればOKです。

ただ、ちょっとだけ気をつけなければならないのは、クリップをシーケンスに編集したとき、親切なことに、大抵の場合FCP5が自動的に「シフトフィールド」フィルタを適用してくれるので、確認せずに手動で更に追加適用してしまう、あるいは適用されていると思っていたらされていなかった、という事態が発生 するかもしれない、ということです。

ここだけ気をつければ、SD/HD (interaced)の混在も特に問題ありませんが、仕組みを知っておいたほうがよいと思いますのでまとめてみました。

シフトフィールド設定

12 Inch Design

古い記事を整理していて、以前ご紹介した”LiveType Central” のリンクを確認した所、トップページしか表示されないようになっていました。

が、運営元の12 Inch Designは健在のようなので改めてご案内しておきましょう。


12 Inch Designでは、CBSやFoxなどでも使用されているという、(ソレっぽい)CG系のフッテージを多く販売しています。

オンラインでは単品で購入できるようですが、国内ではフォーカルポイント社がパッケージ集を扱っていますので、サイトでデモを見て気に入ったものが入ったパッケージを購入する形が分かりやすいようです。

ですので、ライセンスなどに関してはフォーカルポイント社にお問合せ頂くのが良いでしょう。

旧コンテンツについて

旧Final Cut Pro Unofficialのコンテンツは、”ARCHIVES”メニューのOld Contentsからご覧頂く事ができます。

(一部画像等が表示されませんが、ご了承下さい。順次抜粋して新サイトに転載予定です。)

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