将来のmacOSでレガシーメディアが非サポートに
Appleが、macOS Mojave (10.4)以降にリリースされるmacOSにおいて、レガシーメディアとされるコーデック/フォーマットのムービーがサポートされなくなるとの警告を発表しました。
About legacy media in Final Cut Pro X
将来もサポートされるメディアは
Final Cut Pro X: Final Cut Pro:サポートされるメディアフォーマット
に記載されているもので、ここにないメディアフォーマットのムービーは原則としてmacOSで扱うことができなくなる模様です。
レガシーメディアの具体例として記載されているものは、
- HDCAM-SR
- GoPro CineForm
- ソフトウェアで作成されたAvid DNxHD/DNxHR
- その他、古いカメラで記録されたもの
これらが含まれるFCPXのライブラリを運用している場合、アップルの文書ではライブラリやイベント、プロジェクトの「メディアを統合」でバックアップを取った上で、最終的には作品を完成させてProRes 422でマスタームービーとして書き出すことを推奨しています。
【私見】
※言及されていませんが、要するにマスター以外にも白(テロップ無しバージョン)など必要に応じた形でProResの素材を書き出して残しておくことが必要でしょう。
※また、推測として、レガシーメディアを含むライブラリのバックアップの際には該当する素材を「最適化されたメディアを作成」でProResにトランスコードしておくと、レガシーメディア非対応のmacOSでもFCPX内ではそちらを参照してくれれば応急的にはタイムラインで編集が続行できるのではないかと期待が持てるかと思います。【実際の動作は検証するまで不明です】
※現在も特定の他社製コーデックは後からインストールする形でもあり、特にDNxHDなどのAvidコーデックはMedia Composerなど関連ツールのMac版が現役でもあるので、将来的に新macOSのアーキテクチャー対応版が出てもおかしくはない気はしています。
なお、Final Cut Pro X 10.4.4では、プロジェクトに対象となるレガシーメディアが含まれる場合警告が表示されるようです。
FCPX10.3.1キーボードショートカット不具合
【この問題はFinal Cut Pro X 10.3.2で修正されているようです】
少なくともMacBook Pro 15inch (Late2016/JISキーボード)とmacOS Sierra 10.12.2、そしてFinal Cut Pro X 10.3.1の組み合わせで、FCPXのキーボードショートカットが正しくない不具合が発生します。
※その他の組み合わせで起こるのかは情報がないので不明
具体的には、FCPXにおける基本のキーボード配置がいわゆるQWERTY配列でなく、なぜかフランス語キーボードのAZERTY配列として定義されてしまうため、実際のキー配列とショートカットがずれてしまうというもの。
例えば
・QWERTY上の「A」キーの位置にはAZERTYでは「Q」キー
・QWERTY上の「Q」キーの位置にはAZERTYでは「A」キー
となるので、選択ツールを選ぼうと思って「A」を押すと「Q」と認識され、ブラウザからクリップが接続編集されてしまいます。
FCPX 10.3:ライブラリアップデートとオーディオ
アップルのサポートに、ライブラリをアップデートした際のオーディオへの影響に関する情報が掲載されています(2016.11.2)。
ファイナルカットプロ10.3ではオーディオチャンネルの管理を「ロール」ベースで行い、以前のバージョンで作成されたライブラリを10.3にアップデートした時に有効チャンネルの構成が変わってしまうこともあるようです。
そこで、変換ルールを把握しておく必要があります。
FCPX 10.3:ライブラリのアップデートについて
アップルのサポートに、ライブラリのアップデートに関する下記情報が掲載されています(2016.11.15)。
メジャーアップデートの際の定番内容ですが、10.2以前のライブラリを10.3で開く前に確認しておきましょう。
FCPX 10.3所感
まだ環境が整えられておらずにリリースノートとAppleの新機能ページやビデオを見ただけですが、10.3の主だった変更点を見てみます(10/29現在)。
■互換性はEl Capitan以降
●FCPX 10.3 / Motion 5.3 / Compressor 4.3ともに
●「互換性: OS X 10.11.4」つまりEl Capitan以降
となりました。
■インターフェース
インターフェースが刷新されています。
●基本デザインの変更
・作業ごとに異なるレイアウトをワークスペースとして保存できるようになっています。
・インスペクタがウィンドウの天地に高さを拡張できるようになり、またセカンドディスプレイにはイベントとビューアのほかに、タイムラインも表示できるようになっている模様。
・2016年10月28日に発表されたMBPで採用となった、ファンクションキーに変わるTouch Barに対応。編集やカラコレなど作業内容に応じてTouch Barに関連ツールが表示されます。
Final Cut Pro X:最善なアップデート方法
2012年既出の情報ですが、アップデートの際の参考に。
「プロジェクトとイベントを「Final Cut Pro 10.1」にアップデートする」
FCP10.1ではプロジェクトとイベントを「ライブラリ」にまとめて管理できるようになりました。
これに伴い、アップデートする際に一度目を通しておいた方がよいプロジェクト周りの挙動などがマニュアルに追記されています。
プロジェクトとイベントを「Final Cut Pro 10.1」にアップデートする
FCP X:10.0.6アップデート
Final Cut Pro Xのアップデート(10.0.6)がリリースされました。
アップデートはMac App Storeからインストールできます。
以下引用:
バージョン 10.0.6 の新機能
• マルチチャンネル・オーディオ・ファイルをタイムライン内で直接展開して、個々のオーディオチャンネルを詳細編集
• ファイルベースのカメラからのメディア読み込みとフォルダ内のファイル読み込みのウインドウを統合
• 共有機能のインターフェイス改良により、プロジェクトや選択範囲を 1 つまたは複数の出力先に書き出し
• RED カメラのサポートにより、REDCODE RAW をネイティブ編集、オプションで Apple ProRes にバックグラウンドトランスコード
• MXF プラグインのサポートにより、他社製プラグインを使うことで MXF ファイルを読み込みから納品までネイティブ操作
• デュアルビューア(共にビデオスコープ表示対応)により、ショットを比較して動きや色をマッチング
• タイムラインでチャプタマーカーを追加して、ビデオファイル、DVD、Blu-ray ディスクに書き出し
• イベントブラウザで範囲選択の開始点と終了点を維持、さらに 1 つのクリップで複数の範囲選択が可能
• “パラメータをペースト”ウインドウで、クリップ間でコピーするエフェクトを選択
• クリップ接続がより柔軟になり、接続されたクリップを固定したまま基本ストーリーラインのクリップをスリップ、スライド、移動
• 1 回のキー操作でフリーズフレームをタイムラインに追加
• ドロップシャドウ・エフェクトのオンスクリーンコントロールにより、位置、エッジの減衰、角度などを直感的に調整
• 新しいコントロールにより、マルチカムクリップ内の複数のアングルのオーディオを結合
• タイムラインで複合クリップを作成するとイベントブラウザにクリップが保存されるようになり、ほかのプロジェクトで再利用可能
• XML 1.2 のメタデータの読み込み/書き込み機能により、他社製アプリケーションとの連携が向上
FCP X:GPU書き出しテスト
FCP X 10.0.1では書き出しの際にGPUを利用するようになったとのこと。
そこで、簡単な比較をしてみました。
・同じマシン
・同じプロジェクト
・同じ設定
で、書き出しを比較しました。
※なお、OSはFCP X 10.0=Snow Leopard 10.6.7 (64bitカーネル)、FCP X 10.0.1=LionですのでOSの差が排除し切れていないことをご了承ください。
※特に関連する設定はないようですので、10.0.1では書き出し時に常時GPUが活用されるものと思われます。
#10.0.1ではプロジェクトのアップデートが必要で、アップしたら10.0では開けなくなりますので、事前に10.0.1用にコピーしておきます。