Canon XH G1/XH A1
11月20日のFinal Cut Pro User Night Ginzaにて、キヤノンマーケティングジャパン社・絵本様にXH G1とFCP5.1.2による24Fデモを行っていただきましたので、キヤノン24Fについてのおさらいを兼ねて簡単にまとめてみました。 |
■XL H1との違い
キヤノン社の業務用HDVカメラシリーズ第2弾となる本製品とXL H1との違いといえば、一番にはレンズが交換式か固定式かということになります。そして、筐体のサイズや重さなども異なり、後継ではなくラインアップの追加という位置づけになります。
しかし、細かい仕様面では、主なもので
- HD-SDIがエンベデッドになった[XH G1]
- GENLOCKがSD(BB等)にも対応になった[XH G1]
- カスタムプリセットの内容が変更になった[XH G1/XH A1]
といった改善もなされています。
なお、HX G1とA1の仕様面での違いはSDIインターフェイスの有無のみ。
筐体サイズはSONY HVR-Z1Jと先月デモを行っていただいたHVR-V1Jの中間くらい。液晶ビューモニターの格納方法は本体上面にスライドさせるという工夫されたもの。 |
■24Fと24Pの違い
キヤノンのHDV製品の大きな特徴となるのが「HDV 1080/24F」モード。
プログレッシブ24フレームフォーマットのことを一般的には24Pと呼びますが、キヤノンでは同じ24フレーム記録でも「24F」と「24P」という2種類の表記がなされてきました。
結論から言えば、ユーザーとしては同じものととらえてよいとのこと。
では<PとFの違い>は何かといえば、「インターレースCCDで撮像して後処理でプログレッシブに変換するタイプは24F/30F」、「プログレッシブCCDで撮像してそのままプログレッシブ記録する機器には24P/30P」という表記を使い分けているのだそうで、テープへの記録はどちらもプログレッシブであることに変わりありません。つまり、同じプログレッシブ記録でも仕様に24F/30Fと書かれたモデルはCCDがインターレースだ、ということになるわけです。
これはユーザーに混乱を招いているということで、最新のカタログには「24p、30p記録に対応」と書かれています。
※FCP5.1.2では30Pには未対応
■ネイティブ1080/24P
ソニーHVR-V1JやPanasonicのDVCPRO HDでは、1080/24P撮影対応とされるものの、メディアへの記録は60iとなります。このうちPanasonicの24PA(2-3-3-2アドバンスドプルダウン)モードで収録しておくと、「DVCPRO HD 24pA24」セットアップでキャプチャーすれば奇麗な24Pに戻りますが、それ以外ではいずれも24P撮影〜2-3プルダウン〜60i記録となりますので、24Pでのキャプチャー/編集には手間がかかることになります。
一方XL H1/HX G1/HX A1ではHDVプログレッシブ規格に沿ってテープ上にそのまま24P記録されるので、FCP5.1.2のHDV 1080p24セットアップで24P(23.98fps)クリップとして編集が可能。
バッテリーは本体に収納。一番大きいバッテリーを使っても本体サイズが変わることはない。 |
ソニーでは「24PAにしても、HDVのLong-GOPでは正確に24Fに戻してキャプチャーできる保証がないので」という理由でHVR-V1Jでは60i記録を採用しているとのことでしたが(同じLong-GOPのXDCAMでは24P記録/FCPでの24Pキャプチャーに対応)、キヤノンでは「ソニーさんもHDV規格上24Pでやれるはずですが、対応していただかない方が弊社としては差別化になります(笑)」ということで、カメラのコンセプト的な違いかと思いますが、今のところフィルムを考えたHDVシネマではキヤノン24P対応カメラ収録〜24Pキャプチャー/編集〜キヤノン24P対応カメラ戻し〜キネコというのが一番シンプルなワークフローとなります。
ただし、XL H1/HX G1/HX A1での24PはFireWireによるHDVストリームの転送時のみで、その他の出力(XL H1/HX G1のHD-SDI含む)では60iにプルダウンされるとのことです。
メインレンズの脇に測距レンズを装備。撮影モードに左右されない安定した測距が可能。 |
UGフォーラムメンテナンス
UGフォーラム(掲示板)が不調でご迷惑をおかけします。
現在メンテナンス中ですので、今しばらくお待ち下さい。
完了いたしました。
この間アクセスいただいた皆様にはご迷惑をおかけいたしました。
InterBEE 2006(写真)
取り急ぎInterBEE 2006で収めてきた写真を公開します。
http://web.mac.com/fcp/iWeb/Report/InterBEE_2006.html
ここからピックアップしたものの詳細を11/20-19:00からのFCP User Night Ginzaにてレポート予定です。
DVD Studio Pro 4.1.1 アップデータ
DVD Studio Pro 4.1.1 は、Intel ベースの Macintosh コンピュータで生じる DDP および CMF イメージのディスクレイアウトの問題に対処しています。このアップデートは、DVD Studio Pro 4.1 以降をお使いのすべてのユーザにお勧めします。 |
#ソフトウェアアップデート経由
#適用は自己責任で
coreaudiovisualに学ぶFinal Cut Proテクニック
アップルストア銀座店
http://www.apple.com/jp/retail/ginza/week/20061029.html
Made on a Maccoreaudiovisualに学ぶFinal Cut Proテクニック 11月3日(金) 3:00 p.m. |
新しいGUCCI銀座店のプロジェクトも手がける米国のクリエイティブ・スタジオ、coreaudiovisual。同店のオープンを機に来日する同社スタッフが、モバイル環境でのFinal CutProのリアルタイム操作、高級ファッションとモーションデザインの関係などについて、デモを交えてお話しします。世界最高水準のクリエイターによる貴重なセミナーを、ぜひお見逃しなく |
レポート:設置/インストール
お待たせいたしました。 設置/インストールのレポートです。 ※06.10.19追記あり |
■雑感
すでに3ヵ月ほど連続で業務で使用していますが、かなりのスピードと安定性ですね。
弊社では、PVやVP、番組などの制作、編集を主に行っておりますが、メインではXserveRAIDを使用しています。体感的に7TB(RAID 50)の現行世代のXserveRAIDと比較しても遜色ないですね。場合によっては若干速いかもとおもうこともしばしば。
業務全般の中でSD,HDの比率ですが、最近はSD:HDで7:3程度でしょうか。
HDのみをぶんぶん回す、という状況ではありませんが、徐々に非圧縮HDも圧縮HDも増えてきていますね。毎日の作業の中で、XserveRAID並のスピードと安定性があるというのは、かなり大きなことだとは思いますが、なにより、ほぼ24時間電源入れっぱなしで使い続けていく状況で何も問題が起きないのは驚きです。
筐体のサイズや、一般用のSATAディスクを使用するというところで、かなりの不安は有ったのですが、これといったトラブルもなく作業が出来ている、XserveRAIDと同様の使用感で作業が出来ているということが実は一番大きな収穫かもしれません。
■設置導入
さて、少し以前の記憶を掘り起こすことになりますが、設置に関してのレポートです。エンクロージャー自体のサイズがかなり小さいこともあり、HDDを入れていない状態で机に配置しましたので、XserveRAIDの様に腰を痛める、もしくは二人掛かりでないと出来ない、といったことはありませんでしたね。
2台のエンクロージャーで8台のHDDを収納する仕様ですので、今回は縦に2台エンクロージャーを並べてみました。添付していただいたInfinibandのケーブルが長さ2mとのことでしたので、机の下に配置してあるPowerMacG5へのケーブルの取り回しには問題無し。別途ラック等に収納されている場合少し困るかもしれませんね。
エンクロージャーへのHDDの取り付けは、むき身のSATA-HDDに1台ずつマウンタをドライバでネジ留め。そして1台ずつ差し込んでいく。至って単純で簡単な作業です、特に問題はないかと思います。
設置も終わり、次はカード自体のインストール。
カードの取り付けは、通常のPCI-Express使用のカードですので空いているポートへ刺せば問題ないでしょう。
ドライバ自体は、カードのメーカーがかなり不思議な日本語ですが、日本語版サイトを用意していますので、そこから最新のドライバをダウンロード(2006/10時点でMacPro対応版も出ています、通常使用に問題は感じませんでした)。
そしてインストール。
ここまでは実にスムーズ。そして再起動。
システムプロフィールでも無事カードを認識しています。
この状態で、一度電源を切り、エンクロージャーからのびるInfinibandのケーブルを2本刺して起動。まだこの状態ではRAIDは使用不可(当然ですが)
そして、次にRAIDカードの設定とRAIDの初期化です。
このカードの特徴でもあるのですが、ブラウザ上から行います。
これが問題。後に別場所で再度設置作業を行う時にも同じ問題に遭遇するのですが・・・。
ブラウザからRAIDカードの設定をする、「そのアドレスが分からない」。
これは大問題かと、現状の添付資料がどうなっているかは分からないのですが、添付のPDFを数ファイル探しまわり、ようやく発見いたしました。
その後の設定は基本的にマニュアル通りです。
まずはHDDの1台ずつをイニシャライズ(?)して使用可能な状態にし、そこから必要なRAIDセットを選択してRAID構築。ビデオ編集の場合はRAID5で問題ないかと思います。
RAID構築にかかる時間は、搭載するHDDの容量によっても変わってきますが、今回の場合は250GBを8台用意して、1.75TBのRAID5、でほぼ3時間程度かかりました。ちなみに後日、MacProにて500GBを8台用意して3.5TBで構築した際にはちょうど倍の6時間程度かかりました。
構築が完了した後、ディスクユーティリティでマウント。
これにて作業は完了です。
RAIDの設定画面のアドレスが分かりづらかった以外は、非常にスムーズに設定できました。
設定画面自体が英語なので取っ付きにくい感はありますね。アドレスの記載を含め、日本語マニュアルのつくりはかなり疑問を感じますけれども。。。
現在MAXSERVE社(および同社卸のショップ)で購入されたユーザーの方にオリジナルの日本語簡易マニュアルを提供しています。詳しくはMAXSERVE社にお問い合わせください。(2006.10.19) |
第1回24時間映画祭
第1回24時間映画祭 http://www.24eiga.com/ 本日開催。 参加チームの様子がリアルタイムでBlog更新されるほか、10/15(日)17:30からは作品の投票を兼ねた出来たて作品の上映会が行われます。※映画祭や上映会についてのお問い合せは24eiga.com内のお問い合せ先までお願いいたします。 |
5.1.2(2006.9.27)
Final Cut Pro 5.1.1から5.1.2へのアップデートで、対応フォーマットの追加の他、
・ビデオスコープのリアルタイム化
・FxPlugのサポート(一部のMotion用フィルターも追加)
・タブの選択、マスタークリップ(マルチクリップ含む)の扱いの変更
・静止画のガンマ情報
・マルチオーディオインサート
・EDLの改善
・XML互換フォーマットのバージョンアップ
・QuickTimeメタデータのサポート
・アップルイベント(スクリプト)への対応
がなされています。
==以下アップル社配布「Final Cut Pro 5に関する最新情報」より抜粋==
http://www.apple.com/support/lbn/?product=
FinalCutPro&version=5.0&language=j(PDF)
Final Cut Pro 5.1.2 に関する最新情報
「Final Cut Pro 5.1.2」では、エフェクトとビデオフォーマットの互換性に関する問題が解決され、 以前からの問題であるビデオスコープのパフォーマンスとオーディオ出力が改善されました。対応するフォーマットについての最新情報は、「 Final Cut Pro」の「ヘルプ」メニューの「HD ビデオおよび放送用形式について」を参照してください。
参考:Final Cut Pro 5.1.2 ソフトウェアアップデートパッケージでは、ソフトウェアアップデートの「ダウンロードのみ」オプションは無効にされています。
HDV フォーマットのサポートと簡易セットアップ
「Final Cut Pro 5.1.2」では、以下のHDVフォーマットがネイティブでサポートされ、それに対応する簡易セットアップが用意されています:
・720p24および720p25(JVC GY-HD100 ProHD ビデオカメラ用)
・1080p24および1080p25(Canon XL H1 HDVビデオカメラ用。別名1080F24および1080F25)
DVCPRO HD 720p25および1080pA24のサポート
「Final Cut Pro 5.1.2」では、DVCPRO HD カメラ機器との互換性向上のため、以下の2つの新しい簡易セットアップが追加されました:
・DVCPRO HD 720p25: Panasonic P2カードから読み込んだDVCPRO HD 720p25フッテージのネイティブ編集に使用される簡易セットアップです。「Final Cut Pro」では、DVCPRO HD 720p25フォーマットのテープからの取り込みとテープへの出力はサポートされません。
・DVCPRO HD 1080pA24: アドバンスドプルダウン(2:3:3:2)を使用したDVCPRO HD 1080p24フッテージのテープからの取り込みとテープへの出力に使用される簡易セットアップです。このフォーマットでは、NTSC 24pと同じ方法によるアドバンスドプルダウンが使用されます。テープ上のフッテージは実際には29.97 フレーム/秒(fps)のインターレース方式で記録されていますが、「Final Cut Pro」で重複フィールドが削除され、取り込み先ディスクに23.98fpsプログレッシブスキャン方式のQuickTime ムービーが取り込まれます。
Panasonic P2のサポート
Panasonic P2ビデオカメラとの互換性の問題が解決されました。詳しくは、「Final Cut Pro」の「ヘルプ」メニューから参照できる書類「HD ビデオおよび放送用形式について」のPanasonic P2 に関する章を参照してください。
Sony XDCAM HD編集のサポート
「Final Cut Pro 5.1.2」では、XDCAM HDのネイティブ編集がサポートされます。 XDCAM HDビデオの取り込みおよび書き出しには、Sony が提供する追加ソフトウェアが必要になります。
XDCAMおよびXDCAMHD フォーマットについての詳細はhttp://www.sony.jp/products/Professional/XDCAM/を参照してください。
「Final Cut Pro」でのXDCAM HDの詳しい使い方については、以下を参照してください:
・「Final Cut Pro」の「ヘルプ」>「HDビデオおよび放送用形式について」のXDCAM HDに関する章
・http://bssc.sel.sony.com/BroadcastandBusiness/markets/
10014/docs/FCP_XDCAMHD_whitepaper.pdf(英語版)
MPEG IMX 30Mbpsのリアルタイム再生のサポート
「Final Cut Pro 5.1.2」では、リアルタイム再生とエフェクトに関する問題が解決され、30Mbps のMPEG IMXがサポートされます(NTSC 標準とPAL標準の両方を含む)。
PCI Express カードの互換性
Mac Proコンピュータを使用する場合、PCI Expressカードを取り付けることのできるスロットに制限があります。詳しくは、Mac Proコンピュータに付属する拡張スロットユーティリティのマニュアルを参照してください。
放送用WAVEオーディオ ファイルのタイムコードをドロップフレームに変更する
放送用WAVE ファイルを「Final Cut Pro」に読み込む場合、ファイル内のタイムコードは常にノン・ドロップフレームのタイムコードとして扱われます。
放送用WAVE ファイルのタイムコードをドロップフレームに変更するには:
1「ブラウザ」で、タイムコードを変更するオーディオクリップを選択します。
2「修正」>「タイムコード」と選択して、「フォーマット」ポップアップメニューから「ドロップフレーム」を選択します。
「前のタブを選択」コマンドと「次のタブを選択」コマンド
「Final Cut Pro 5.1.2」では、以下のキーボードショートカットを使用して、現在のウインドウのタブを切り替えることができます:
・前のタブを選択: コマンド+[
・次のタブを選択: コマンド+]
これらのコマンドは、「ボタンリスト」ウインドウの「ツール」カテゴリに表示されます。「ツール」>「ボタンリスト」と選択すると(またはOption+Jキーを押すと)、「ボタンリスト」ウインドウが表示されます。
マスタークリップを管理および表示する
以前のバージョンの「Final Cut Pro」では、「ブラウザ」に保存されたマスタークリップと関連クリップでデータが共有されていました。マスタークリップを削除する場合、マスタークリップと関連クリップとの関係を削除するかどうかを確認するダイアログが表示されました。「OK」をクリックすると、すべての関連クリップが独立クリップになりました。
「Final Cut Pro 5.1.2」では、マスタークリップを削除しても、関連クリップとの関係は削除されません。「ブラウザ」でマスタークリップを削除しても、マスタークリップと関連クリップとの関係が残されます。マスタークリップを削除する際にダイアログは表示されません。また、「Final Cut Pro 5.1.2」で以前のプロジェクトを開く場合、「ブラウザ」にマスタークリップは作成されません。シーケンスクリップにマスタークリップを作成するには、以下のように「マスタークリップを作成」コマンドを使用します。
独立したシーケンスクリップからマスタークリップを作成するには:
■独立したシーケンスクリップを1つまたは複数選択して、これをシーケンスから「ブラウザ」にドラッグします。
「ブラウザ」にドラッグした独立クリップに、それぞれマスタークリップが作成されます。
「ブラウザ」で選択したシーケンスにマスタークリップを作成するには:
1「ブラウザ」で1つまたは複数のシーケンスを選択します。シーケンスを選択しない場合、「Final Cut Pro」ではすべてのシーケンスが選択された状態として扱われます。
2「ツール」>「マスタークリップの作成」と選択します。
シーケンスを1つ選択した場合、シーケンス名の付いたビンが作成されます。このビンには、シーケンス内のそれぞれの独立クリップのマスタークリップが含まれます。複数のシーケンスを選択した場合は、プロジェクトの名前が付いたビンが作成されます。このビンには、選択したシーケンス内のそれぞれの独立クリップのマスタークリップが含まれます。
「マスタークリップを表示」コマンドを使って「ブラウザ」に新しいマスタークリップを作成するには:
1「タイムライン」で、「ブラウザ」内にマスタークリップが存在しない関連シーケンスクリップを選択します(またはそのクリップ上に再生ヘッドを移動します)。
2「表示」>「マスタークリップを表示」と選択します(またはShift+Fキーを押します)。
新しいマスタークリップの作成を確認するダイアログが表示されます。
3「OK」をクリックして、「ブラウザ」に新しいマスタークリップを作成します。
「ブラウザ」にすべての関連クリップのマスタークリップが作成されます。
シーケンスのすべてのクリップを独立クリップにするには:
■「ブラウザ」でシーケンスを選択して、「修正」>「シーケンスのクリップを独立させる」と選択します。
マルチクリップのマスタークリップおよびプロジェクトサイズの縮小
マルチクリップがマスタークリップと関連クリップの関係を持つようになり、複数のマルチクリップ間でアングル情報を共有できるようになりました。この関係によって、多数のマルチクリップを含むプロジェクトのファイルサイズが大幅に軽減されます。
以前のバージョンの「Final Cut Pro」では、マルチクリップのすべてのインスタンスが完全に独立していました。「Final Cut Pro 5.1.2」では、最初のマルチクリップインスタンスがマスターマルチクリップとみなされます。「ブラウザ」でマルチクリップを複製するか、シーケンスに編集することにより、このクリップのコピーが作成され、関連マルチクリップとされます。
ただし、マルチクリップアングルを追加、削除、または順序を変えるなど、マルチクリップに対してアングルの構成に影響する操作を行った場合は、修正されたマルチクリップで元のマスターマルチクリップとの関連が失われ、新しいマスターマルチクリップが自動的に作成されます。
参考:新しいマスターマルチクリップは「ブラウザ」に自動的には表示されず、アングルの構成を変更したマルチクリップのマスターマルチクリップを表示しようとすると、「ブラウザに」マスタークリップを作成してよいか「Final Cut Pro」による確認が求められます。
関連マルチクリップのマスターマルチクリップを「ブラウザ」に表示するには:
1 シーケンス内または「ブラウザ」にあるマルチクリップを選択します。
2 「表示」>「マスターマルチクリップを表示」と選択します。
「ブラウザ」にマスターマルチクリップが選択された状態で表示されます。マスターマルチクリップのないマルチクリップの場合、マスターを作成してよいか「Final Cut Pro」による確認が表示されます。
3 「OK」をクリックして、「ブラウザ」に新しいマスターマルチクリップを作成します。
「ブラウザ」で新しいマスターマルチクリップが選択された状態になります。
参考:シーケンス内のマルチクリップを独立させることはできません。シーケンス内のマルチクリップは、必ずマスターマルチクリップとの関連を持ちます。
ビデオスコープの問題の解決
「Final Cut Pro 5.1.2」では、以前のバージョンの「Final Cut Pro」で「ビデオスコープ」タブに見られた以下の問題が解決されています:
・ビデオに解析されないラインがあった。
・ビデオスコープが再生時にリアルタイムで更新されなかった。
・再生ヘッドをスクラブすると、ビデオスコープの更新が遅れた。
「ビデオスコープ」タブを開くには:
■「ツール」>「ビデオスコープ」と選択します(またはOption+9キーを押します)。
ビデオの全ライン解析
以前のバージョンの「Final Cut Pro」では、ビデオスコープの対象となる16ラインのうちの半分のピクセルが解析されていました。「Final Cut Pro 5.1.2」では、「タイムライン」の「RT」ポップアップメニューから、以下の3レベルの精度を選ぶことができます:
・すべてのピクセル: ビデオの全ラインのすべてのピクセルが解析され、「ビデオスコープ」タブにピクセル値が表示されます。「ビデオスコープ」タブの右下隅には「すべて」と表示されます。
・上と下を除くすべてをスコープ: 上下それぞれ9ライン(クローズドキャプションなどのシグナル用に予約されている)を除くすべてのラインが表示されます。「ビデオスコープ」タブの右下隅には「最高」と表示されます。
・選択ピクセル(最速): 以前のバージョンの「Final Cut Pro」のビデオスコープと同じ精度のモードです。このモードは、リアルタイム再生でも使用されます。
重要:ここで選択した精度のレベルは、再生ヘッドを一時停止またはスクラブした際にビデオスコープに影響を与えます。ビデオスコープのリアルタイム更新では常に「選択ピクセル(最速)」オプションが使用されます。
「ビデオスコープ」タブの右下隅には、「RT」ポップアップメニューで選択されたスコープ表示オプションが示されます。
ビデオスコープをリアルタイムで使う
ビデオのフォーマットと使用するコンピュータの処理能力によっては、「ビデオスコープ」タブのリアルタイム更新を以前のバージョンの「Final Cut Pro」と同じレベルの品質で処理することができます。
「ビデオスコープ」タブでリアルタイム更新を有効にするには:
1「タイムライン」ウインドウでシーケンスを開きます。
2「タイムライン」の「RT」ポップアップメニューから「スコープをライブで再生」を選択します。
参考:「スコープをライブで再生」オプションを使用するには、さらにコンピュータの処理能力が必要になります。このオプションを有効にした場合、「タイムライン」のレンダリングバーが赤く表示されることがあります。また、フォーマットによっては、「ビデオスコープ」タブがリアルタイムで更新されないことがあります。たとえば、HDVマルチクリップの再生には特に処理能力が必要とされるため、「ビデオスコープ」タブがリアルタイムで更新されないことがあります。
ビデオスコープの制限事項とパフォーマンス
以下に、「Final Cut Pro」でビデオスコープを使用する場合の制限事項を取り上げます:
・「スコープをライブで再生」オプションについて:
・AGPまたはPCIExpress グラフィックカードを装備した編集システムが必要です。一部の古いPCI グラフィックカードでは、「ビデオスコープ」タブのリアルタイム更新に必要な処理能力が不足する場合があります。
・サポートされているリアルタイムフォーマットを使用する必要があります。「Final Cut Pro」でリアルタイムの処理が可能なフォーマットの一覧を参照するには、「Final Cut Pro」>「システム設定」と選択して、「エフェクト処理」をクリックしてください。
・「ビデオスコープ」タブの「表示」ポップアップメニューを「現在のフレーム」(「キャンバス」を参照)または「ビューア」に設定する必要があります。「現在のフレーム(フィルタなし)」や「前の編集点」などのオプションを使用した場合、「スコープをライブで再生」オプションは無効になります。
・ビデオスコープの精度:
・ビデオのすべてのラインを解析できるのは、再生が停止した場合かスクラブをする場合に限られます。「スコープをライブで再生」オプションでは、「選択ピクセル(最速)」オプションを使用して「ビデオスコープ」タブが更新されます。詳しくは6ページの「ビデオスコープをリアルタイムで使う」を参照してください。
FxPlug のサポート
「Final Cut Pro 5.1.2」では、Appleが開発したイメージ処理プラグインアーキテクチャーのFxPlugがサポートされます。FxPlug を 使用することに より、プ ラグインの開発者は、OpenGL、CoreGraphics、およびCoreImage などのテクノロジーによるハードウェアアクセラレーションを使用したエフェクトを作成できます。プロセッサベースのエフェクトもサポートされます。FxPlug プラグインの作成について詳しくは、http://developer.apple.com/appleapplications/fxplugsdk.htmlを参照してください。
「Final Cut Pro 5.1.2」では、FxPlugとFXScript(オリジナルのFinal Cut Proプラグイン形式)の2つのプラグインインターフェイスがサポートされます。他社製のAfter Effectsフィルタは、Adobeが正式にサポートする形式ではないため、Intelプロセッサ搭載のMacintoshシステム上の「Final Cut Pro」では機能しません。Intelプロセッサ搭載のMacintosh システムでFxPlugフィルタを使用するには、ユニバーサルバイナリバージョンが必要になります。
ビデオフィルタを読み込む
「Final Cut Pro 5.1.2」を起動する際に、以下のデフォルトMotion FxPlugフォルダからプラグインが検索されます:
・/ライブラリ/Application Support/ProApps/Internal Plug-Ins/FxPlug/
参考:
FxPlug プラグインは、「Final Cut Studio」のインストール時に「Motion」を選択するとインストールされます。お使いのコンピュータまたはグラフィックカードが「Motion」に対応していない場合、これらのプラグインはインストールされません。このフォルダには、ユーザが自分でフィルタをインストールしないでください。
以下のフォルダ(通常は他社製のソフトウェアをインストールすると作成される)がシステムに存在する場合、「Final Cut Pro 5.1.2」はそのフォルダも検索します:
・/ユーザ/ユーザ名/ライブラリ/Plug-Ins/FxPlug/
・/ライブラリ/Plug-Ins/FxPlug/
インストールしたFxPlug プラグインが「エフェクト」タブに表示されない場合は、以下の操作を行ってください:
・「エフェクト」>「利用可能なエフェクト」>「すべてのエフェクト」と選択します。
・「Final Cut Pro」の起動時に検索されるいずれかのフォルダにプラグインがインストールされていることを確認します(インストールされる場所については、上記のリストを参照してください)。
・「Final Cut Pro」を開いた状態でプラグインをインストールした場合は、「Final Cut Pro」を終了してから、もう一度開いてください。
ビデオフィルタを管理する
FxPlug エフェクトは、既存のFXScript エフェクトと(ほぼ)同等のものが多数用意されています。通常、同等のFxPlug エフェクトとFXScript エフェクトには同じ名前とコントロールが使用され、違いはごくわずかです。「Final Cut Pro」でFxPlug エフェクトとFXScript エフェクトを管理するため、これらをよく使うエフェクトとして「エフェクト」タブと「エフェクト」メニューの両方に表示するよう選択することができます。たとえば、「Final Cut Pro」にはFXScriptフィルタの「ガウスブラー」が付属していますが、「Final Cut Studio」に含まれる「Motion」にはFxPlug フィルタの「ガウスブラー」が付属しています。これらフィルタの一方をよく使うエフェクトに設定することで、「エフェクト」タブと「エフェクト」メニューにどちらの「ガウスブラー」プラグインを表示するかを指定することができます。
参考:よく使うエフェクトは、お気に入りのエフェクトとは異なります。よく使うエフェクトは
「エフェクト」タブに表示するプラグインであるのに対し、お気に入りのエフェクトは、使用することの多い設定と共に保存されたエフェクトのことを言います。
「エフェクト」タブには、エフェクトを識別して管理するための3つの列が表示されます:
・エフェクトクラス: インストールされているプラグインのタイプを表示します。この情報が表示されない場合、エフェクトにはFXScript プラグインが使用されています。エフェクトがFxPlug プラグインの場合、「FxPlug」と表示されます。
・よく使う項目: よく使うエフェクトであるかどうかを示します。この項目は、エフェクトの横の列をクリックすることにより、有効または無効にすることができます。この項目は、エフェクトを選択して、その隣の「よく使う項目」列をControl キーを押しながらクリックし、ショー
トカットメニューから「はい」または「いいえ」を選択して有効または無効にすることもできます。
・説明: エフェクトの簡単な説明がある場合にその説明を表示します。FxPlug プラグインには説明が含まれていますが、FXScriptプラグインに説明はありません。
「エフェクト」タブと「エフェクト」メニューに表示するエフェクトを選ぶには:
1「ウインドウ」>「エフェクト」と選択して(またはコマンド+5キーを押して)、「エフェクト」タブを開きます。
2 必要に応じて、表示するエフェクトの隣の「よく使う項目」列をクリックします。
3「エフェクト」>「利用可能なエフェクト」を選択するか、Control キーを押しながら「エフェクト」タブの空の領域をクリックして、以下のいずれかのメニュー項目を選択します:
・推奨エフェクトのみ:Appleが推奨するエフェクトの一覧を表示します。重複するFXScriptフィルタとFxPlugフィルタは最小限におさえられています。ほとんどの場合、FXScriptプラグインが推奨されます。
・よく使うエフェクトのみ: 「よく使う項目」が有効にされたエフェクトのみを表示します。このオプションを使用すると、ユーザがインストールしたプラグインを、カスタマイズした一覧に表示することができます。
・すべてのエフェクト: インストールされているプラグインをすべて表示します。推奨エフェクト、よく使うエフェクト、またはすべてのエフェクトを表示するためのボタンを「ブラウザ」のボタンバーに追加することもできます。これら3つのボタンは単体で機能するため、一度に選択できるボタンは1つだけになります。「ツール」>「ボタンリスト」と選択すると、「ボタンリスト」ウインドウを表示できます。
参考:よく使うエフェクトの設定は、「Final Cut Pro」の環境設定ファイルを削除した場合でも、削除されずに残ります。
以下の一覧は、「Final Cut Pro」のFXScriptプラグインと同様の動作をする「Motion」のFxPlugプラグインを示したものです。ただし、名前は若干異なります。また、これに伴いFinal Cut ProのFXScriptプラグインの名称の一部が変更されています:
FXScrip(Final Cut Pro) | FxPlug(Motion) |
基本境界 | シンプルな境界 |
ブライトネスとコントラスト | ブライトネス |
ブライトネスとコントラスト | コントラスト |
青または緑バック | 青/緑スクリーン |
スピルサプレッサー(青)スピルサプレッサー(緑) | スピルサプレッサー |
ガンマ補正 | ガンマ |
参考:「Final Cut Pro 5.1.2」では、「エフェクト」タブと「エフェクト」メニューに、「グロー」、「タイリング」、および「時間」の3つのビデオフィルタビンが追加されて表示されます。
「ビューア」の「フィルタ」タブでビデオフィルタを識別する
「ビューア」の「フィルタ」タブで、フィルタ名にポインタを置いてしばらくするとヒントが表示されるので、FxPlugプラグインであることが分かります。FxPlugプラグインの場合、フィルタ名の後ろに「FxPlug」と表示されます。
「検索結果」ウインドウでビデオエフェクトを識別する
「検索」コマンドを使用してエフェクトを検索する場合、「検索結果」ウインドウには、FXScriptプラグインとFxPlug プラグインを区別するための「エフェクトクラス」列が表示されません。「検索」コマンドを使用して「検索結果」ウインドウにフィルタが重複して表示される場合は、「検索結果」ウインドウでエフェクトを選択して「ブラウザで表示」をクリックすると、それぞれを識別することができます。「Final Cut
Pro」では、選択したフィルタが「エフェクト」タブに表示されるので、「エフェクトクラス」列を見ることで、どのエフェクトであるかを識別できます。
システム間でプロジェクトを移動する
プロジェクトで特定のFxPlug プラグインを使用する場合、プロジェクトを開く各コンピュータに必要なプラグインをインストールする必要があります。必要なFxPlug プラグインがインストールされていないシステムでプロジェクトを開いた場合、「Final Cut Pro」にはプラグインが不足することを示す警告が表示されます。ただし、どのプラグインが不足しているかは表示されません。
参考:「Final Cut Pro」から「Motion」のプロジェクトにシーケンスクリップを送る場合、エフェクは維持されません。
システム間でプロジェクトを移動する場合は、それぞれのコンピュータでグラフィックカードの性能が違うと、高解像度表示で高精度のYUV 品質が必要とされるFxPlug プラグインのレンダリングが制限されるので注意してください。詳しくは、次の「リアルタイムの再生およびレンダリング」を参照してください。
リアルタイムの再生およびレンダリング
FXScriptプラグインのパフォーマンスを向上するには、搭載するRAMの量とCPUの処理能力を増すことで対応できますが、FxPlugプラグインは多くの場合、エフェクト処理のパフォーマンスはコンピュータのグラフィックカードの能力に依存します。グラフィックカードをアップグレードするか、高性能のグラフィックカードを搭載したシステムに換えることで、FxPlugプラグインのパフォーマンスを向上することができます。
高解像度のクリップを使用する場合や、シーケンスの設定で高精度のレンダリングを使用する場合は、古いタイプのグラフィックカードでは能力が不足することがあります。このような場合、「Final Cut Pro」には以下のいずれかの警告が表示されます:
・エフェクトを高精度でレンダリングするには、より高機能のグラフィックカードが必要です:
ご使用のグラフィックカードでは、高精度のレンダリングに対応していません。
・現在のグラフィックカードでは、エフェクトをこのサイズのシーケンスでレンダリングできません: ご使用のグラフィックカードは高精度のレンダリングに対応していますが、FxPlugフィルタを適用したクリップを含むシーケンスが大きすぎるため、このグラフィックカードで処理
できません。
・エフェクトでは、このメディアをフル解像度でレンダリングできません。このメディアをレンダリングできるように、縮小/拡大します: お使いのグラフィックカードにはこの大きさのシーケンスに対応できる量のメモリが搭載されていますが、FxPlugフィルタを適用したクリップが大きすぎるため、このグラフィックカードでは処理できません。
シーケンスの設定で高精度のレンダリングを有効にした場合、古いタイプのグラフィックカードを使用するシステムでは、FxPlug プラグインを適用したクリップをリアルタイムで再生できても、これらのクリップのレンダリングを行うことができないことがあります。緑のレンダリング
バーは、「タイムライン」のクリップのリアルタイムの再生状況を示すだけで、そのクリップのレンダリングが可能であるかどうかは示しません。この場合、「シーケンスの設定」ウインドウの「ビデオ処理」タブで高精度のレンダリングを無効にするか、より高性能なグラフィックカー
ドを搭載したシステムにプロジェクトを移動してください。
FxPlug プラグインのリアルタイムパフォーマンスを向上するには、以下を試してください:
■フィルタを適用したビデオクリップをスクラブする際に、Optionキーを押しながらスクラブします。これは、FXScriptプラグインとFxPlug プラグインの両方に有効な方法です。
■「表示」>「外部ビデオ」>「オフ」と選択して、Digital Cinema Desktopの再生オプションを無効にします。
FxPlug の制限事項とトラブルシューティング
「Final Cut Pro」でFxPlug プラグインを使用する場合は、 以下の制限があります:
・FxPlugフィルタおよびジェネレータのみがサポートされます。「Final Cut Pro」では、FxPlugトランジションはサポートされません。
・カスタムコントロールを使用する一部のプラグインはサポートされません。
・ビデオ情報以外のデータを処理する一部のプラグインはサポートされません。
・「ビューア」や「キャンバス」のコントロールポイントなどの画面上のコントロールはサポートされません。
・微妙なグラデーションを使用するエフェクト(グラデーションジェネレータやガウスブラーフィルタなど)では、レンダリング後に縦方向のバンディング(帯状に色が分かれる現象)が発生することがあります。このバンディングは、低解像度のコーデック(DVなど)でレンダリングを行った際のアーチファクトで、フィルタによる問題ではありません。代わりに、シーケンス設定に無圧縮8または10ビットシーケンスのプリセットを試してください。
・RGB 色空間を使用してレンダリングを行うFxPlugプラグインは、特にクロマまたはルミナンス値の高いY’ CB CRクリップに適用した場合に、クリッピングが発生することがあります。これは特に、クリップ全体よりもクリップの一部の範囲にFxPlug フィルタを適用した場合に顕著に
現れます。
25fps(PAL)フォーマット用のフルフレームバーとトーンジェネレータ
「Final Cut Pro 5.1.2」では、以下のPAL準拠のカラーバーとトーンジェネレータクリップが追加されました:
・カラーバーとトーン(HD 25p/50iフルフレーム)
・カラーバーとトーン(PAL フルフレーム)
また、「カラーバーとトーン(HD 1080i50)」ジェネレータの名前が「カラーバーとトーン(HD 25p/50i)」に変更されました。
「テープに編集」ウインドウの「マスタリング設定」タブで、現在のデバイスコントロールプリセットのフレームレートが25fps(PAL)の場合に、「フルフレームバー」オプションを選択できるようになりました。このオプションを選択した場合、フルフレームバーがテープに出力され
ます。このオプションを選択しない場合は、以前のバージョンの「Final Cut Pro」と同じように、SMPTE バーが出力されます。
参考:現在のデバイスコントロールプリセットのフレームレートが25fpsでない場合は、このオプションが使用できません。
読み込んだ静止画のガンマ補正
多くのアプリケーションでは静止画ファイルにガンマ情報が埋め込まれないため、「Final Cut Pro 5.1.2」では、読み込んだ静止画クリップのガンマ設定を定義することができます。
以下の場合にガンマ補正を行うことができます:
・ガンマ値が分かっているものの、「Final Cut Pro」では自動的に値が判別されない場合
・イメージのブライトネスを調整する場合(特に、静止画を同じようなイメージのビデオクリップに合わせるなど)
「Final Cut Pro」では、静止画のガンマレベル情報をもとに、クリップに割り当てられるブライトネス曲線が判別されます。「Final Cut Pro」では、反転させたブライトネス曲線を静止画クリップに適用して、ガンマレベル情報を補正します。
静止画のガンマ調整には、以下の2通りの方法があります:
・「ユーザ環境設定」ウインドウの「編集」タブにある「ガンマレベル」ポップアップメニュー: 静止画の読み込み時にイメージ全体のガンマ値を決定します。
・「項目の情報」ウインドウまたは「ブラウザ」の列にあるクリップのガンマレベル情報: 「ブラウザ」または「項目の情報」ウインドウでクリップごとにガンマ調整ができます。これにより、「ユーザ環境設定」ウインドウの「ガンマレベル」ポップアップメニューで適用された全
体の設定が変更されます。
読み込んだ静止画ファイルに適用されたガンマ値を選ぶには:
1 「Final Cut Pro」>「ユーザ環境設定」と選択して、「編集」タブをクリックします。
2 「ガンマレベル」ポップアップメニューから以下のいずれかのオプションを選択します:
・ソース: 以前のバージョンの「Final Cut Pro」と同じように静止画を表示する場合は、このオプションを選択します。以前のバージョンの「Final Cut Pro」で扱えるように静止画ファイルのガンマ値が調整済みの場合は、このオプションを選択してください。このオプションでは、QuickTime を使用して、読み込まれた静止画のガンマ値が解釈されます。
・1.8: Macintoshオペレーティングシステムまたはガンマ値1.8を指定したアプリケーションで作成された静止画を読み込む場合に選択します。
・2.2:Macintosh 以外のオペレーティングシステムまたはガンマ値2.2を指定したアプリケーションで作成された静止画を読み込む場合に選択します。
・カスタム:「カスタム」数値フィールドに任意のガンマ値を入力できます。
参考:「Final Cut Pro」で静止画のガンマ値を調整した場合、メディアファイルは変更されず、プロジェクトの静止画クリップのみが変更されます。
ガンマ値を変更できるイメージフォーマットには、BMP、QuickDraw、Targa(TGA)、PNG、TIFF、SGI、PlanarRGB、MacPaint、Layered / Flattened Photoshop(PSD)ファイルがあります。
静止画を読み込んだ後でガンマ値を変更する場合は、「ブラウザ」の列または「項目の情報」ウインドウでガンマレベル情報を調整することができます。ガンマレベル情報はマスタークリップと関連クリップの間で共有されないため、マスタークリップまたは関連クリップでガンマ値を変更
しても、もう一方のクリップには影響しません。
「項目の情報」ウインドウで静止画クリップのガンマ値を変更するには:
1 「ブラウザ」またはシーケンス内のクリップを選択します。
2 「編集」>「項目の情報」>「フォーマット」と選択します(またはコマンド+9キーを押します)。
3 以下のいずれかの操作を行います:
・Control キーを押しながらガンマレベル情報の横にある値をクリックして、クリップにあらかじめ設定されたガンマ値(ソース、1.8、または2.2)を選択します。
・「ガンマレベル」フィールドをクリックし、ガンマ値を指定するか、「ソース」と入力して、Enter キーを押します。
▶ヒント:クリップのガンマ値によりブライトネスに与える影響を見るには、「ビューア」または「キャンバス」でクリップを表示した状態でガンマレベル情報を変更します。
「ブラウザ」の「ガンマレベル」列を表示するには:
■Control キーを押しながら「ブラウザ」のいずれかの列をクリックして、ショートカットメニューから「表示ガンマレベル」を選択します。
「ブラウザ」で1 つのクリップのガンマレベル情報を変更するには:
1 「ブラウザ」のクリップを選択します。
2 選択したクリップの横の「ガンマレベル」列をクリックし、0.01〜10.00 の値を入力してEnterキーを押します。
「ブラウザ」で複数の静止画クリップのガンマレベル情報を変更するには:
1「ブラウザ」で複数のクリップを選択します。
2 Control キーを押しながら「ガンマレベル」列をクリックして、「ソース」、「1.8」または「2.2」を選択します。
マルチチャンネルオーディオ出力のオーディオマッピングを選ぶ
VTR またはオーディオ機器がRS-422 リモートコントロールに対応している場合、「テープに編集」ウインドウで出力する際に、個々のオーディオチャンネルの録音(インサート編集とも呼ばれます)が可能です。「Final Cut Pro 5.1.2」では、最大で16個のオーディオチャンネルを個別に録音するインサート編集が可能です。
参考:FireWire または「ビデオにプリント」コマンドを使用してテープに出力する場合は、このセクションはお読みにならなくても構いません。
「テープに編集」ウインドウで各オーディオチャンネルの録音を可能にするには、オーディオ挿入ポップアップメニューからチャンネルを選択します。出力を開始すると、「Final Cut Pro」からチャンネル挿入メッセージが送られ、オーディオ挿入ポップアップメニューで選択したチャンネルがデッキに通知されます。ただし、デッキによってはメッセージ内に指定されたオーディオチャンネル情報の場所が異なって解釈されるため、チャンネルが予期せずに有効または無効になる場合があります。「Final Cut Pro」から挿入するオーディオチャンネルの情報が正しい形式で送られるようにするため、テープへの編集を行う前に、デバイスコントロールプリセットでオーディオマッピング設定を選択する必要があります。
重要:オーディオマッピング設定では、挿入するオーディオチャンネルを指定しません。これは、「Final Cut Pro」で挿入するオーディオチャンネル情報をやり取りする形式を決めるための設定です。
以下の表に、一般的なビデオ/オーディオレコーディングデッキと、それに対応するオーディオマッピング設定を示します。
レコーディングデバイス | デッキで挿入できるチャンネル | オーディオマッピング |
Sony UVW-1800、Sony BVW-70(BetacamSP) | 2 チャンネル | 2 チャンネル |
Sony DVW-500(Digital Betacam)、Sony HDW-2000(HDCAM)、
Panasonic AJ-SD930(DVCPRO 50) |
4 チャンネル | 4 チャンネル |
Sony MSW-2000(IMX)、Panasonic AJ-HD3700(D5-HD) | 8 チャンネル以上 | 8 チャンネル |
Tascam DA-98 | 8 チャンネル | 8 チャンネル(レガシー) |
Sony SRW-5505(HDCAM SR) | 12 チャンネル | 12 チャンネル |
ご使用のデッキ用のオーディオマッピング設定が不明の場合は、以下の手引きに従ってください:
・2チャンネル: アナログオーディオ入力のみの古いタイプのデッキ(BetacamSP、U-Matic 3/4″など)では、一般的に2チャンネルオーディオのインサート編集が可能です。
参考:一部のBetacamSPデッキは4オーディオチャンネルを備えていますが、チャンネル3と4をビデオチャンネルと別に挿入することはできません(これらのデッキは、オーディオのインサート編集では2チャンネルデッキとして扱われます)。
・4チャンネル: 現在の多くの業務用デジタルビデオデッキ(Digital Betacam、DVCPRO 50、HDCAM)では、少なくとも4チャンネルオーディオのインサート編集が可能です。
・8チャンネル: 一部の新しいデジタルビデオデッキ(D5-HD、IMX)では、8チャンネルオーディオのインサート編集に対応しています。
・8チャンネル(レガシー): 一部の旧式のオーディオ専用デッキ(Tascam DA-98)では、8チャンネルのインサート編集に対応していますが、新しいデジタルビデオデッキとは異なる通信方法が使用されます。Tascam DA-98などの機器を使用する場合は、このオプションを試してく
ださい。
・12/16チャンネル: 新型のHD対応HDCAM SRデッキでは、12チャンネルオーディオのインサート編集に対応しています。
EDLの読み込みおよび書き出し
EDLの読み込みと書き出しに関するいくつかの問題が解決されています:
・リール名のないクリップを含むEDLを書き出す際に、「Final Cut Pro」による警告が表示されるようになりました。
・ドロップフレーム・タイムコードを使用したEDLで、1分のトランジションポイントの無効なフレーム番号(01;01;00;00や01;01;00;01など)がなくなりました。
・フレームレートが混在する(フレームレートとタイムコードが一致しないクリップを含む) シーケンスにおける無効なタイムコードが解消されました。
以下のタイプのEDLでは、正確なタイムコードを維持できます:
・Panasonic VariCamフッテージから生成されたEDL
・24fpsクリップを含む30fpsEDL
・29.97と25fpsの両方のフッテージを含むシーケンスから生成したEDL
Final Cut Pro XML互換形式
以前のバージョンの「Final Cut Pro」のXML互換形式では、XMLの読み込みで新しいプロジェクト項目(ビン、シーケンス、クリップ)が作成され、既存のプロジェクト項目を更新できない場合がありました。「Final Cut Pro 5.1.2」ではFinal Cut Pro XML互換形式バージョン3がサポートされ、読み込んだXMLからプロジェクト内の項目を修正できるようになりました。Final Cut Pro XML互換形式のアップデートの一覧については、http://developer.apple.com/appleapplicationsにあるFinal Cut Pro XML互換形式の資料を参照してください。
QuickTime メタデータのサポート
「Final Cut Pro 5.1.2」では、QuickTime ムービーファイルに格納されたQuickTimeメタデータ要素がサポートされるようになりました。「Final Cut Pro」で使用するQuickTime ムービーに格納されたメタデータに対しては、以下の操作が可能です:
・Final Cut Pro XML互換形式によるアクセスと変更
・メディアマネージャのコピー、移動、および未使用の削除操作による管理
・「QuickTime ムービーを書き出し」コマンド使用時のメタデータ情報の維持
メタデータは、Final Cut Proプロジェクト要素にもキャッシュされるため、メディアファイルがオフラインの場合でも、Final Cut Pro XML 互換形式を介して使用できます。Final Cut Proプロジェクト要素内のメタデータを追加または変更した後は、「メディアを再接続」コマンドを使用して、対応するQuickTime メディアファイル内のメタデータを更新できます。
QuickTime ムービーのメタデータの操作について詳しくは、http://developer.apple.com/appleapplications を参照してください。
アップルイベントのサポート
「Final Cut Pro 5.1.2」は、7 つのカスタムアップルイベントに対応しており、開発者が作成したソフトウェアを使用して、外部から「Final Cut Pro」内のプロジェクト、クリップ、およびシーケンスを直接変更できます。アップルイベントとFinal Cut Pro XML互換形式バージョン3を組み合わせて使用することで、ご使用のポストプロダクションパイプラインに適した形で 「Final Cut Pro」を簡単にカスタマイズできます。カスタムアップルイベントについて詳しくは、http://developer.apple.com/appleapplications を参照してください。
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(c)アップルコンピュータ株式会社
Final Cut Pro アップデート 5.1.2
ソフトウェアアップデートまたは
http://www.apple.com/downloads/macosx/apple/finalcutpro512.html
Final Cut Pro アップデート 5.1.2 は、重要な問題の修正と一部の Canon、Sony、JVC および Panasonic 製の装置に対する互換性のアップデートを提供します。このアップデートは、Final Cut Pro 5.1 および Final Cut Pro 5.1.1 をお使いのすべての方にお勧めします。詳しい情報については、次を参照してください:http://www.apple.com/support/lbn/?product=FinalCutPro&version=5.0&language=j |