FCPX 10.3所感
まだ環境が整えられておらずにリリースノートとAppleの新機能ページやビデオを見ただけですが、10.3の主だった変更点を見てみます(10/29現在)。
■互換性はEl Capitan以降
●FCPX 10.3 / Motion 5.3 / Compressor 4.3ともに
●「互換性: OS X 10.11.4」つまりEl Capitan以降
となりました。
■インターフェース
インターフェースが刷新されています。
●基本デザインの変更
・作業ごとに異なるレイアウトをワークスペースとして保存できるようになっています。
・インスペクタがウィンドウの天地に高さを拡張できるようになり、またセカンドディスプレイにはイベントとビューアのほかに、タイムラインも表示できるようになっている模様。
・2016年10月28日に発表されたMBPで採用となった、ファンクションキーに変わるTouch Barに対応。編集やカラコレなど作業内容に応じてTouch Barに関連ツールが表示されます。
■「マグネティックタイムライン2」
タイムラインがより使いやすくまとまってきました。
・ロールの積極活用
→マグネティクタイムライン2(MTL2)では、クリップに任意の属性タグを付与する従来の「ロール」機能を進化させ、特定のクリップをまとめて名称とカラーラベルが付けられるようになりました。
そして、タイムライン上では同じロール内のクリップがグループ的に表示されるので、配置と色で編集状況がより把握しやすくなっているようです。
・タイムラインインデックスの積極活用
→タイムラインインデックスも従来からあるものですが、あまり使うシチェーションのない機能という印象でした。しかし、ロールと組み合わせることで、タイムライン内のクリップ配置をコントロールする重要な役割を持ったようです。
ここに「オーディオレーン」というものも加わって、これまでのMTLではビデオもオーディオも(配置場所は)一緒くたであったのに対し、大枠のエリアとしてビデオとオーディオが分離されるようになった模様。
■書き出し関連
・MXF形式の書き出しに対応
これまで一旦マスタームービーを書き出してから必要なツールで変換していたものが、MXF方面の納品のプロセスが簡略化されます。
■書き出し関連
・フロートランジション
→サードパーティーで同様のものが出ていましたが、インタビューで間をカットした際に前後のつながりをスムーズに処理するトランジション。
・ “エフェクトを削除”コマンドと“パラメータを削除”コマンド
→いこれは今更というか、FCP7から退化していたうちの結構重要な機能です。やっと追加されました。
・ビューアと書き出しファイルでクリップ名とソースクリップのタイムコードを表示
→これも退化復元シリーズですね。
・カスタムMotionプロジェクトを個々のFinal Cut Proライブラリに統合
→ライブラリで使われているクリップに、Motionでつくったカスタムのプロジェクトも含まれるようになりました。ここは手落ちだった部分が補われた感じですね。
・アンカー付きの隣接クリップでトリムをロール編集
→これはおそらく、アップルのサイトのスクリーンショットを見る限り、ストーリーラインでくくらなくても隣接クリップのロール編集ができるようになったと思われます。
・Thunderboltケーブルを使って外部ディスプレイに直接A/V出力
→これは大きいですね。BlackmagicDesignのIntensityなどの外部デバイスを使用しなくても、かつてのDV-FireWire出力のようにThunderboltケーブルのみで外部モニターできるようになったようです。