AJA KONA3(その2)
※製品発表会レポート
KONA3製品概要(その1)(その2)
■コントロールパネル
KONAのコントロールパネルは上下に分割された分かりやすい構成で、上段には左から右に現在の信号の流れがグラフィカルに表示され、下段で項目ごとに詳細を設定していく形になっています。
項目(KONA3)は
Inputs (Video / Audio) | ビデオはSDI 1と2、オーディオはAES/EBUかEmbeded(1-8ch or 9-16ch)かの選択 |
Format | SDI 1と2それぞれの入力ビデオフォーマットの設定。アップ/ダウンコンバートの際の処理設定もここで行う |
Digital Video Out | SDI出力の設定。Primary / Secondary / Video+Key / Dual Linkの入出力マッピング |
Analog Video Output | アナログビデオ出力の設定。Composite, Y/C, Component各種。また、どの入力を出力するかの選択 |
Control | Default OutputとPlayback Timing。Default OutputではMacintosh Desktop / Input Passthrough / Black / Test Pattern / Hold Last Applicationの切り替え、Test Patternの内容選択。Playback TimingではGenlockの同期対象の選択と垂直/水平同期の微調整 |
Downstream Keyer | ハードウェアベースで出力に任意のグラフィックをオーバーレイできるDSKの設定。グラフィックファイルの選択や合成方法、不透明度などの調整 |
Setup | Video SetupとAudio Setup。Video Setupではアナログのいわゆるセットアップ(0IRE/7.5IRE)、オーディオはCore AudioによりMacOS X自体のオーディオ入力がKONAに影響するのを防ぐ”Lock Input Audio Gain To Unity”のON/OFFと、K3-BOX使用時のアナログオーディオモニターの出力基準の選択 |
Codec Options | Video Outでは静止状態の出力をフレームにするかフィールドにするかの選択によってインターレース素材を停止させたときブレないようにできる。24-30fps Conversionはプルダウンの設定。YUV-RGB Conversionではカラースペースとガンマを自動もしくは任意で設定変更が行える |
RP-188 Timecode | SDI Embededのタイムコードに関する項目。InputではRP-188TC及びU-bitにEmbededされたVaricam TCのモニタリングが行える。現状FCP5ではいずれもTCとして扱えないので、将来的な機能。OutputではQTファイルをハンドリングするユーティリティーでQTムービーに含まれるTCを出力するか、またオフセットやTCオーバーレイをさせるかの設定 |
Info | ハードウェアやドライバ類の構成など、サポートのためのレポート情報がテキストで一覧表示される |
となっており、放送業務で必要な設定が一通り行えるようになっているほか、信号の状態によってリアルタイムに表示が変化する上段のフローチャートと下段のパラメータのどちらからでも相互にクリックベースで操作が可能になっています。
■リアルタイムコンバージョン
(その1)でも触れましたが、アップ/ダウンコンバート及びスケーリングをKONAが行うため、KONA2および3ではHDV編集にも大きなアドバンテージがあります。
通常一般的なFireWireまたはDeckLink HD*ベースでHDV編集を行う場合は編集中のモニタリングはあくまでCinema DesktopによるPCモニターでのプレビューに留まりますが、KONAではSDIに出力が可能となるため、放送用HDモニターで作業を行うことも可能となります。
また、テープに書き出す際も「ビデオにプリント」等の通常書き出しでは一旦エフェクト部分の処理及びカット部分のGOPを整えるため部分エンコードの工程が加わりますが、タイムラインがHD-SDI出力されるKONAであればタイムラインの再生品質を際高画質に、コマ落ち検出をONにして再生させればHD-SDI経由で(通常のレンダリングのみで)そのままHD-SDIデッキに収録を行うことも可能となります。
■ハードウェアライブインターナルキーヤー
2系統のSDIそれぞれにフォアとキーを出力できるほか、ハードウェアベースのいわゆるDSKとしても機能するため、入力に対してアルファつきのQTムービーや静止画をキーイングできるほか、Core Video経由でソフトによっては外部ビデオをKONAにでき、MotionなどのRGBAベースのアプリであればアルファ付きで出力されるため、これも入力ソースにリアルタイムに合成することができるなど、結構アイディア次第で使えそうです。(FCPなどアプリ側でGPIトリガーに対応してくれればさらに面白そうなんですけどね。)
■ユーティリティー
KONAと併せてAJAでは使い勝手の良いユーティリティーも提供しています。
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また、Mac/WindowsそれぞれにKONA CODECも提供されているので、他の環境への受け渡しも問題なく行えます。 |
http://www.aja.com/support_kona.html
■取扱店
http://www.aja-jp.com/content/blogcategory/9/13/
以上、ざっと概要というかポイントを挙げて見ましたが、内容を見れば相対的な価格はかなり安いといえると思います。絶対的な価格はDeckLink HDの数倍はするので、用途によって棲み分けが出来ると思いますが、コンバータやジェネレーターなど他に代用できる機器がないような環境であれば一台はあるとかなり安心かと思われます。
*DeckLink v5.0ドライバでHDV Bridgeをサポート
(完)