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-FCP Unofficial Review-

Final Cut Pro4(E)
-レンダリング画質-

2003.7.26更新

レンダリング品質の設定DV-NTSCでの比較非圧縮8bitでの比較
どこよりも早い発表資料詳細レビュー
時代の趨勢である10bitへの対応に加え、アップルのページによると「High Dynamic Range (HDR) 」と呼ばれる各チャンネル32bit深度(float)のワイドレンジでのレンダリングをサポートした、と書かれています。ので、技術的な細かい説明はとりあえず(私が誤解しているといけないので(^^;))抜きにして、実際どうなのかを簡単に実験してみました。

実験は簡単で、諧調を見るために各コーデックでグラデーションを作ってレンダリングしたものを並べてみました。ちなみにホワイトは100%です。
レンダリング品質の設定

レンダリング品質はシーケンスごとに変更できるため、シーケンス設定の中にあります。


8bit YUVレンダリングの場合。


high-precision YUVレンダリングの場合。
ヘルプや設定項目に特に「HDR」の文字は見当たらないのですが、「多重合成等の際に威力を発揮する」と書かれているので恐らくこの設定がそれだと思われます。なので実験中ではこの設定の結果をHDRと表記しています。

平たく言えば、8bit素材でも、このモードだとレンダリングにおいてはより精度の高いレンダリングエンジンで上の深度まで展開して行うので、元ソースを8bitのまま処理するよりもロスが少なくなる、とまずは理解して良いかと思います。

ちなみにデフォルトは8-bit YUVですが、これはhigh-precision YUVにするとトレードオフでレンダリング速度が遅くなるためです。

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DV-NTSCでの比較

まずはFCP3でのDV-NTSCのYUVレンダリングです。白のほうは結構早い段階でベタになってしまっています。

[DV-NTSC-YUV-FCP3.tif]
1.3MB
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続いてFCP4でのDV-NTSCのYUVレンダリング。実験時はFCP3も同じQT6.3ですが、この段階で白-黒レンジに差が出ています。

[DV-NTSC-YUV.tif]

1.3MB
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そしてFCP4でのDV-NTSCのHDRレンダリング。NTSC画面に出すと差が顕著ですが、FCP4の8bit YUVレンダリングよりさらにバンディング(グラデーション中の縦線)がかなり滑らかになっています。

[DV-NTSC-HDR.tif]
1.3MB
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DV-NTSC/FCP3
 
FCP3で書き出したファイルをFCP4に読み込んでみました。
DV-NTSC/YUV
 
FCP4のDV-NTSCをYUVレンダリング(デフォルト)。ヒストグラムに明らかに違いが出てます。
DV-NTSC/HDR
 
FCP4のDV-NTSCをHDRレンダリング。同じDVでもこれだけ差が出ています。

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非圧縮8bitでの比較

FCP3で引き合いに出したのは、高画質で定評のあるBlackmagic 8bit YUV (Blackmagic 8bit 2Vuy)です。

[Blackmagic-8bit-FCP3.tif]
1.3MB
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続いてFCP4でのApple非圧縮8bitのYUVレンダリング。Blackmagicに比べるとバンディングが若干目立ちます。

[Uncomp-8bit-NTSC-YUV.tif]
1.3MB
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最後にFCP4でのApple非圧縮8bitのHDRレンダリング。3種類で一番滑らかです。

[Uncomp-8bit-NTSC-HDR.tif]
1.3MB
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Blackmagic 8-bit/YUV-FCP3
 
FCP3でBlackmagicの8bit非圧縮でレンダリングしたものをFCP4に読み込んでみました。今回唯一、諧調にカーブが見られます。
Apple Uncomp 8-bit/YUV
 
FCP4のApple非圧縮8bitをYUVでレンダリングしたもの。Blackmagicに比べてヒストグラムが整っています。
Apple Uncomp 8-bit/HDR
 
そしてFCP4のApple非圧縮8bitをHDRでレンダリングしたもの。
今回の中で波形もヒストグラムも一番奇麗に整っていました。

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とまあじつに安易な実験ですが、この実験ではこれだけの差が出ているのがおわかりかと思います。(微々たる差かも知れませんが、複雑な合成などになるほど差が出てくるものと思います。) 一概に8bitはダメ、なのではなく、やはりコーデックによる差というのは大きいんですね。

他の機能面や安定性についてはまだまだ検証が必要ですが、コーデックについては少なくともFCP4を使用する価値は十分にありそうです。

また、DVでも上位のコーデックでレンダリングするとやはり差があるのもわかります。これはDV/DVCPRO(25M)でもSDIで非圧縮キャプチャーして非圧縮で作業するとDV(FireWireキャプチャ/出力)より奇麗になるという説の裏付けにもつながるかと思います。

そして、見た目の感覚以外の波形的な部分での画質はフィルタなどをかけてレンダリングした時に必ず影響があると思います。

なお、Blackmagic (ダウンロード可能なv1.0)はFCP4ではYUVレンダリングに対応していないらしく、HDR (high-precision YUV)レンダリングが行えませんでした。

#検証方法や内容についてのご意見もお待ちしております

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