出力時にコマ落ちが発生している場合にも同期がずれる可能性がある、とあります。取込みの時にコマ落ちしておらず、ファイルとしてはきちんと同期している場合はこちらの可能性があります。これも初期設定で再生時のコマ落ちを報告させるオプションがありますが、この報告がない場合でも症状が出る場合は対策を試みる価値はあると思います。
TIL「フレーム落ちとオーディオ同期が失われること」の「出力時のフレーム落ちにより同期が失われる
」ケースの1つ目「RTオーディミキシングの数が多すぎる」については、同時にFCP3マニュアル<Vol.2>P478からの「Final
Cut Proのリアルタイムオーディオミキシング」並びにP540「RTオーディミキシング」「オーディオ再生の品質」の項を参照してください。
2つ目の「ムービーの自動同期」についてもよく理解しておく必要があるようです。
この機能の詳細についてはFCP3マニュアル <Vol.2>P539に詳しく書かれていますが、要はQTの基準である32KHzまたは48KHz以外の微妙に異なる(48.0258KHzなどの)サンプリングレートのファイルに対してクリップのサンプル数をカウントし、補正することで、基準と異なるサンプリングレートによって長時間再生中に徐々に同期がずれていくのを防止する機能です。
デフォルトではこの自動同期はオンになっていますが、いくつかポイントを上げてみますと
- DV以外のクリップの編集では使用しない
- タイムコードの途切れがあるクリップでは使用しない
- TILによれば、(特定の)Canon製DVカメラで特に有効(つまり特定のCanon製カメラでは必ず基準からずれたサンプリングレートで記録されてしまうため、これを補正する)な機能であること
といったことを知っておく必要があります。
マニュアルによれば、(1)についてはアナログインターフェースやSDIなどを使用したキャプチャーではそもそもサンプリングレートのズレは発生しないので、自動同期の設定は必要ない上、TCの途切れがある場合逆に無効なサンプル数のカウントによって同期がずれる可能性があるので、チェックは外すようにすること、
(2)については、DV上でTCの途切れがあった場合に(1)と同じく無効なサンプルのカウントによって同期が失われること、
が理由な要ですが、更に(3)では裏を返すと「“特定のCanon製カメラ”以外では必要ないかもしれない」ということなので、一般的には外しても構わないのではないか、ということが考えられます。
実際いただいた報告の中でも「ムービーの自動同期を外したらウソのように解決した(SONY製DVカメラ使用)」といったものもありますし、
コマ落ちなどの部類の問題は考えにくい場合は「ムービーの自動同期」を外してみることも有効かもしれません。P539の下の方に「この機能が使用されたかどうか判断する」方法が書かれていますので、もし通常の環境で「自動同期」による補正が行われていないようなら外してしまって良いのかもしれません。
3つ目以降はマシンの再生能力によるコマ落ちの可能性が書かれていますので、これまでの条件が原因ではないと思われる場合によくお読みの上検証してみてください。編集が細かくなってくるとディスク上のあっちこっちへシークが発生しますので、回転数もさることながら、シークタイムの速いディスクが望ましいとか、オーディオのミックス又はFCPムービーとして書き出す、あるいはムービーとしてレンダリングしてしまう(極力シークを発生させない)といったことが必要な場合も(ことCPUやシステムバス、ディスクの能力が遅い環境)あるようですし、デスクトップへのミラーリングなど、使わなくても良いシステムリソースは出来るだけ使わない方がよいとか、FCPとMacという「アップルのゴールデンコンビ」といった感覚で気楽にAppleTalkをONにしていたり余計な機能拡張がたくさん有効になっていたりしがちですが、やはり荷の重いDTVですから、あくまでセオリー通り極力シンプルな構成で気をつかっていくに越したことはありません。
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