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2002.5.27
FinalCutPro Unofficial
映画テレビ技術・Digital Production 2002速報

<5.15> -2-

2002.5/15〜5/17、東京ビッグサイトで開催された映画テレビ技術・Digital Production 2002の初日レポートその2、アップル主催のテクニカルソリューションセミナーの様子です。


(1) Final Cut ProとCinema Tools 〜DVからHD、そしてFilmまで〜
アップルコンピュータ プロダクトマーケティング


(2)Final Cut Proで週5本のレギュラー番組制作の舞台裏
株式会社タイムワープ


※アップルによるレポートはこちら「24P編集を強力に支援するCinema Tools」をご覧ください。


(1)
Final Cut ProとCinema Tools 〜DVからHD、そしてFilmまで〜
アップルコンピュータ プロダクトマーケティング
はじめのセミナーでは、アップル・プロダクトマーケティング担当の古村氏による
FCP及びCinemaToolsについての説明です。
Final Cut Pro 3

まずはFCPの概要説明。


Three-Upウィンドウ。なんだかローカリゼーションチームと
マーケティングチームとのココロの隙間(^_^;)が感じられるのは気のせい?


G4-RealTime再生のデモも交えながら。
Cinema Tools

そしていよいよ(ある意味この展示会ならではの)注目のCinemaTools。





スライドを中心に、 CinemaToolsの概要、そして定番の先輩フィルム編集システムである
Avid Film Composerに触れつつ、価格などでのCinemaToolsのメリットが説明されます。



実際に操作を見ることもできました。

ここで、ちょっと導入を考えるプロダクションに待ったのかかる事実の発表が。まず、やはりこうしたデータベースではファイル名などでの2バイトの扱いが難しく、現在慎重にテストを行っている関係で、英語版のみとなること。そして、その関係でFCPも英語版にのみ対応となること。それはそれで別に慣れてしまえば良い事だと思うのですが、これらの事情から、今の時点では日本での販売は検討中なのだそうです。確かに、英語版しかないけど日本のサイトでも紹介しているDVD Studio Proと違ってアップルジャパンのサイトでも紹介していませんが、一般販売はやはりまだなんですね。どうしても欲しいユーザーさんは、とりあえずアップルのSolution Experts部門に相談してみてください。

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(2)
Final Cut Proで週5本のレギュラー番組制作の舞台裏
株式会社タイムワープ

続いてアップル・ソリューションページでも紹介されているタイムワープ社による導入事例の紹介です。

導入前はVHSオフライン、ベーカムtoベーカムの一般的なリニア編集で番組制作を行っていた
同社ですが、ノンリニアの便利さを活かしていくことを考え、今までの方法に代わりうる
システムがないかを調査した結果、主に以下の点で導入に踏み切ったそうです。

1.Media100、Avidといったシステムとも比較、CineWaveのクォリティでも局納が可能なこと
 (FCP3になって波形管理も可能に)
2.Avid Media Composerを1セット買う予算で、複数のFCPシステムを入れた方が効率がいいこと
3.Final Cut Proの操作の習得がノンリニアの中でも簡単であること。
  曰く「パソコンを触ったことがあれば、とりあえず始められる」



デモでは手際よく編集、オーディオインサートやロゴのスーパーインポーズなどを行って、次に英語の喋りに合わせて日本語字幕をのせていきます。(※権利とか面倒なので、某大物ミュージシャンの顔は伏せておきます)

このときの編集はFCPの模範的な使い方で(^_^)、

1.「テキスト」ジェネレータをとりあえず「サンプルテキスト」のまま配置
2.配置したテロップをダブルクリックして原稿の文字数から判断して2行分の文字列を入力、
  大体の位置を合わせる
3. 1つ置いたテロップを次々コピーしていき、それぞれのセリフの長さに合わせる
  (この段階で、テロップの内容は全て1つ目のものと同じ)。
4. テロップの尺合わせが済んだら、テキストファイルの原稿をコピー&ペーストしていく

といったものです。オーソドックスな字幕テロップなら、この方法が一番速いですよね。


その他OAされた「ハリーポッター特集」等の長尺番組なども一部上映されましたが、凝ったオープニングなどにはAfter Effectsを併用しつつ、基本的にすべて社内のディレクターさんがFCPで編集しているそうです。

導入効果は上記のようなもので、とにかくポスプロを使わなくなったことでのコスト削減、時間短縮、また社内でのPCでの素材づくりをそのまま編集に使える(テープベースの編集室では、PCファイル素材はテープに出力する必要があった)こと、そうしたポスプロに合わせていた制限がなくなったことによる内製化は作業スタイルを変え、コスト面でも内容面でも確実な変化があったそうです。(無理が利くってのも確かにそうなんですよね。こうしたワークフローの変化に伴う作業分配はDTPで既になされていた問題提起ですが、DTVにとっても課題となりつつあります。といってもこの場合は同社で問題になっているわけではありませんが…)

ちなみにMAについてはさすがに外注するそうですが、それでもFCPのOMFオーディオ出力によってデータを書き出し、ProToolsベースのスタジオに持っていくことで、MA起こし(従来はテープ完パケからMTRに音声をキャプチャーする「起こし」が必要)の時間が短縮できるのでこの面でもメリットは確実にあるとのことです。

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