●OS X版でのコマ落ちについて、と音ズレについて
COOさんから先週メール頂いておりました。ありがとうございました。
はじめまして。cooと申します。
トップページでFCP3のコマ落ちについてありましたので
投稿しました。参考になるかどうかわかりませんが…
先日、FCP3OSX版で取込み編集を行いましたが、コマ落ちもなく快適に行えました。
因みにシステムは…
PBG4(500) メモリー512MB
City Disk 3.5FW ATA66 + IBM80GB
DVCの素材(30~40分もの)を7本取込みましたが 一度もコマ落ちなし。
取込みにさいし、とくに設定には気をつかいませんでした。
OS9+FCP1.25時代は、仮想メモリー含めいろいろ 気を使ってもたまにコマ落ちしてたので感動(大げさですが)したぐらいです。
ところで、音ずれはどうにかならないものでしょうか?
当サイトをみても決定的な解決方法がないような…
このご報告のように、問題なく使えている環境もあるのですね(^_^)。 因みにOSのバージョンやDV機器の型番等、もう少し情報がいただけるとありがたいと思います。
それと、音ズレについてですが、ここで一度問題と今後についての考えを示しておきたいと思います。
基本的にはもちろん音ズレの問題はないもので、あんまりFCPのみに限って取り上げると「FCPは音ズレする」 といった(電車の中吊り効果のような)事態になりかねません(^_^;)ので、現象が起こっている環境があるのは事実として、原因や解決方法についてなにか動きがあるまで静観するつもりでおります。
それと、FCPだけでなくMac/PC、ノンリニア・MPEG等をひっくるめて、パソコンで映像と音声を扱う上での(永遠の?)課題となっていること、またそれは必ずしもメインのソフトが原因とは限らないことを書いておきます。
例えば、某Windows系のエンコーダーメーカーさんとお話していたときも、「ズレるズレるって言われて、素材を持ち帰って散々テストしたが再現しない。それで客先のデッキで試したら再現した。デッキのメーカー(S社(^_^;))に言って数台で試したらおかしいのがあって、デッキの方で制御のタイミングがずれてることがわかった」というお話を伺いました。SUPER
OUTの画面のキャラが1フレくらいズレることもざらなので、全てキャプチャーボードやソフトのせいにしないで欲しい、とも。これは数百万円クラスのMPEG2エンコーダーの話です。
またどのボタンを押したら画面が変になった等の明らかなバグとは性質が異なり、FCPに限らず、デバイスコントロール(シリアル変換やVTRコントロール等)やハードディスク、各種PCIカード、ブレイクアウトボックスなど周辺機器を介して全体が動いており、ドライバのバージョンやMacのモデル(マザーボード、各種コントローラー等)、VTR機器も様々なわけです。
こうしたユーザー環境の複雑化を嫌って、いわゆるターンキー形式のノンリニア専用システムでは、Macから何から全て込みで開発・チューニングしたものを用意して、「この環境に手を加えたら保証しないよん」と言って売っており、パソコンとしてではなく「ビデオ編集システム」と考えて使う必要があるわけです。それ以外の作業を行う(為にハードやソフトを追加する)のは自己責任となり、品質や精度を保証するにはそれ相当の姿勢で望まなければならないことが伺えます。
そういった面から考えると、仮に他のソフトや様々なメーカーの機器・パーツをあれこれ使っていながら「○○は××がダメだ」と簡単にレッテルを貼るのは、簡単ですが無責任だとも思うわけです。少なくとも買ってきたピュアな状態のMacと必要なものだけインストールして、それでもなお問題が起きる、という段階で初めて該当ソフトやシステムの問題となるわけで、その他のものが入っていればそれだけコンフリクトの可能性があがる以上、それらの状況も含めて解析しないとなかなか先には進まないのは言うまでもありません。
まあ、こうした問題の究明を本当にやろうと思ったら、マンツーマンで見てくれるメーカー/代理店サポートなどが必要になってくるものだとも思います(開発部と直結ならなお良い)。VTRの個体差だって影響するんですから。ズレるズレ方だって、「どのタイミングで、どの機器の段階でどのくらいズレるのか」といった詳細によってどこに問題があるのか見当もつきやすくなるし、修正のしようもあるわけですが、それにはその環境に出向いて目で見てもらうのが、こういった問題の場合ベストなんですけどね。
そう考えていくと、「うちのはズレるんですよね」というだけの漠然とした情報では、手紙くださいといっておきながら「東京に住んでます」としか伝えないに等しいわけです。
#こういった傾向は音ズレに限らずパソコン関係の掲示板やMLで散見されますが、是非ともこうした仕組み(というかものの道理)を理解なさっていただきたいところです。答えが欲しいのであれば、答えを導くような情報提供をする。それなくして答えだけを求めても、答えようが無いことってたくさんありますよね。情報は無いより多いところから取捨選択するほうがはるかに解決の近道になりますから。あ、べつにCOOさんを責めているわけではありませんよ。一般論として。
余談になりますが、まあFCPのRTがいまいちだとか、Windowsのほうが選択肢が多くて安上がりだ、といった意見が聞かれる(私も言ったり(^_^;)する)場合がありますが、確かに他社製品それ自体は素晴らしいものだとしても、その裏にはマザーボードやチップセット、BIOS、レジストリといったおよそ本来の作業と関係ないパソコン自体の知識を要求されることも忘れてはなりません。(特にWindows環境で)本当に安定したノンリニア環境の構築をするにはこうした知識や技術力、情報収集力を(Mac以上に)必要とするもので、選択肢が多いように見えて案外制限が多いのも現状です。安定した環境が欲しくてメーカーやショップ指定の組み合わせにしたらかえって高くなった、サポート年間ン十万払ってる、なんてこともよくある話です。つまり、音ズレは(遭遇しているところには)深刻だと思いますが、それ以外の問題が(相対的には)少ないということのメリットについて、言いたかったわけです。
(4/10)編集時間より情報収集の時間の方が長かったり、編集よりもパソコンの仕組みや部品の勉強の方が大変だったり、というのもよくある話です。そういったことが苦にならないのなら、本当に安さや多機能さの恩恵を受けられるんでしょうね。
といったわけで、問題ないユーザーの方に要らない不安を煽ることにも、購入を検討している方にも確実でない情報を参考にしていただくことにもなりますので、
音ズレのようなネガティブな問題については、当サイトでは慎重に扱っていきたいと思っています。もちろん引き続き情報はお寄せいただきたいのですが、こちらで公開するケースは少ないと思いますので、「解決に協力しよう」とご賛同くださる方は諸事情ご理解いただいて進めていきましょう。
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