FinalCutPro/Tips/FAQ/Tips/DVD-RAM Workflow
[戻る][HOME]

-Tips-

DVD-RAMでDVD-Video素材づくり
〜Pixe VRF Browser/MPEG EDITOR〜
2002.4.28更新

Final Cut ProとDVD Stuidio Proを使ったDVD-Vodeo制作環境が結構増えていると思いますが、とかく悩みどころとなるのがエンコードだと思います。

DSPに付属するQuickTime MPEG Encoderはソフトウェアエンコードであり、設定も簡易で時間も(CPU依存とはいえ)それなにりかかります。これはまあオーサリングソフトはあるけどエンコードはどうするんだ?とツッコミが入らないための
エマージェンシー用と言えるものでしょう(でなければ、A.Pack位の細かい設定を持ったインターフェースでしょうから)

では別のエンコーダーを用意したらいいじゃないか、と。

DVD Studio Pro用のMPEG2素材は、別にMacでつくらなくてはならないわけではありません。Mac用のエンコーダーではSonic社のSD-1000(リンクはフォーカルポイント社)、かつて存在した(そして最近また復活予定の)WIRED社のMediaPressシリーズがありますが、その他にもWindows上で動作する
一般的なDVD-Video用エンコーダーで作成したMPEG2ファイルは基本的に使用できます。そういった意味で、業務用の制作ではエンコーダーを選びたいのが普通ですから、低価格DVDオーサリングパッケージと違って、エンコーダーオープンであるという業務用の条件を満たしているわけです。

そこで、DVD-RAMレコーダーデッキをハードウェアエンコーダーとして利用する方法をご紹介します。これはPIXELA社の提案するソリューションそのものですし、
私も購入しましたPIX-DVRR/FW1を使ってDVD-RAMレコーダーで記録したデータを利用するのが、テレビ録画/DVD鑑賞/DVD制作を含めたホビーユースにはうってつけです。当初Panasonic LF-D340JDを使用していたのですが、残念ながらPanasonic社ではMacへの対応はしておらず、積極的にMac用のツールを発表・対応しているPIXELA社(中身は同じ松下製のドライブなんですけどね)のドライブに切り替えとなりました。

両機種をはじめ、Windows環境用にはこれらのRAM/Rドライブをパソコン上で積極的に使用するためのツールが揃っており、レコーダーで記録したビデオの利用とパソコン上で記録した映像のレコーダーでの再生とを一般的に行えるようになっています。DVDオーサリングツールも同梱されており、今回ご紹介する使い方も結構普及しているわけですね。そういった面では、(主にビデオレコーディング用のみに使われるとはいえ) OS Xでも未だにUDF2.0に対応していないMacOS環境の中で、独自機能によってUDF2.0フォーマットのレコーダーの内容を閲覧・カット編集、DVD-Video用の素材書き出しを行えるようにしているPIXELA社はMacユーザーにとって心強い限りです。

■なぜDVD-RAMレコーダーか
DVD-R/RWでも最近人気のDVD+RWでもなくDVD-RAM/を選んだのには、それなりに理由があります。

・DVD+RWではないわけ
…まずレコーダーがありません。これではエンコーダー云々以前の問題です。それに、+RWでつくったビデオディスクがプレーヤと高い互換性を持っているとはいえ、あくまでDVDロゴが付いていませんので、ちょっと気が引けます(^_^;)。それと、人にあげたりするのにRW(Re-Writable)である必要はないということもあります。その点、デリバリー用には安価なDVD-Rを使いたいので、Rに書けない+RWは今のところ候補に入りません。少なくとも、(流行に反して(笑))日常的にテレビをパソコンで録画/視聴することにそんなに意義を感じない私には、記録する映像をパソコン側からしか用意できないのは魅力的ではありませんし、+RWのパンフレットにも(DVD-Video作成を全面に打ち出しているDVD-R陣営に対して)「DVD-Videoよりはデータ記録に力を入れました」みたいに書いてあります。

・DVD-RWではないわけ
…HDDレコーディングができるレコーダーがありません。DVD-R/RWのみを搭載したレコーダーでは、(個人的には)HDDレコーダーほど気軽に記録しようという気にはなりません。Pioneer社のDVR-7000も使う機会がありますが、とりあえず4.7GBの制限の中で全てを行わなければならないこと、DVD-Rへの記録にははじめからRディスクを使わなければならず、失敗は許されないし、後から編集ができないので余計な部分は記録しないようにレコーダーの前にかじりつくという、アナログレコード時代のカセットへのダビング(ピークを越えないようにVUメーターを睨みつつ、次の曲が入らないようにポーズボタンを押すべくスタンバイする、みたいな、)のようなことをしなければなりません(笑)。それと、どうするかわからないけど録ってしまったものをしばらく置いておいたり、2時間の映画を留守録しておくのに高画質モードで記録することも、RWドライブのみのレコーダーでは不可能です。てことで、RWがだめというよりはHDDレコーダー内蔵のものがないという理由で却下(^_^;)となります。同じものを何枚かつくりたいときにも、RWデッキのみでは大変つらいです。やはりHDD上からRにダビングできないと、毎回毎回レコーダーの前にかじりつく羽目に。その都度タイトル入力しなければならないし。その点、後からDVD-Rにする可能性のあるものはRAMに保存しておいて、必要に応じてHDDに吸い上げてRのマスターにするといったことも可能なHDD/RAM/Rレコーダーはとっても便利なのです。
#この辺の利便性は、東芝社のRD-X1のページで力説(^_^)されています。

といった理由で、昨年末に(この辺も睨みつつ)購入したDMR-HS1の出番となります。

編集結果をHDDレコーダーに記録
Final Cut Proで編集したら、DVテープに落として後からダビングしてももいいですし、そのままDV入力を持ったDMR-HS1(RD-X1ではS端子経由)に記録するのも良いでしょう。余裕を持って前後を長めに記録し、レコーダー上でトリミングします。

やりくり用のDVD-RAMにコピー
HDDからRAMにコピーします。
ちなみにDMR-HS1では、例えば高画質モードで2時間記録されている(=4.7GBメディアに収まらない)ものでも、プリセットのモード以外の最適なビットレートで(再エンコードになりますが)ディスクにピッタリ収まるように(FRモード)記録してくれます。

RAMからMacへ

UDF2.0フォーマットにDVD-RAMレコーディング規格で記録されたディスクは、最先端のMac OS(やWin NT/2000)では読み込めません(^_^;)。そこで、OSを介さずにメディアに直接アクセスするPixe VRF Browser(PIX-DVRR/FW1ユーザー用にダウンロードで提供)を使用します。
※Pixe VRF Browser等のユーティリティーを使う場合、"Toast FireWire Support"機能拡張が入っているとPIXELAのユーティリティーではドライブを認識しませんので、外しておきましょう。
※Panasonic LF-D340JDは認識しません。PIX-DVRR/FW1を機種判別しているようです。



レコーダー上で付けたタイトルや時間、容量などを読み込み可能。


MPEGエディタ=カット編集、
DVD素材書き出し=MPEG2 ES/オーディオへのリッピング (DVDオーサリング用素材への書き出し)、
ファイル保存=レコーダーファイルをそのまま HDDへ保存


MPEG EDITORの画面。プレビューはリアルタイムではなく、あくまで編集点を探すものです。


カットしたいIN点を「スタート」に、OUT点を「エンド」にドラッグしてカットボタンを押すと、 その範囲が
カットされます(GOP単位)。こうして要らない場所がカットされた状態で 「作成」ボタンを押すと、

保存形式選択が現れ、「DVD素材書き出し」を選択すると、不要部分をカットしたMPEG2ビデオと
オーディオ(DMR-HS1はAC-3のみ)がDeMultiplexされて保存されます。

こうしてHDD上に吸い出された素材をDSPのオーサリングに使用することで、15万円前後のテレビ/BSチューナー内蔵のHDD/RAM/R搭載ハードウェアエンコーダーを利用してDVD-Video制作が行えるわけです。

欠点は、I-frameが任意に打てない(=フレーム単位でのチャプターコントロールは難しい)こと、DMR-HS1ではDolby-AC3に限定されてしまうこと(これはビットレート8Mくらいになるような尺で余分な分まで記録し、切った後でVFR Browserから書き出されたAC-3のかわりにFCPから書き出したAIFFを使用することで対処可能)ですかね。

でも、 こうした民生用のレコーダーって、電波送信での条件の厳しいテレビなどの録画にも対応しなければならないため、またメーカーとして2〜3世代目では技術もこなれてきていてエンコーダーの性能も結構いいんですよね。メーカーや機種毎にもちろん傾向も違いますが、ブロックノイズの出方やでる場所などにも工夫がしてあって、パソコン用の同価格程度のエンコーダーくらいの性能は軽くこなしてるんじゃないかと思います。冒頭でも触れた、復活が期待されるWIRED社の Digital MediaPress(※MacDTV.comレビュー)や三菱のEN-20(Win)も、20万円くらいでDV用ですから、いい勝負だと思います。

加えてエンコード(録画)中もMacで別のことをできるし、DVD制作をしないときは通常のビデオデッキとして大活躍です。毎回毎回凝ったメニューやリンクを張ったオーサリングを行うわけではない私のような使い方の場合、単なるアーカイブにはレコーダーのDVD-R作成機能で簡易にDVD-Rに記録し、人にあげたい場合などには録画素材だけ利用してオーサリングソフトにもってくるという使い分けができるわけです。これは無駄がなくて便利ですよ。エンコード設定等に重きを置くか、お手軽さに重きを置くかで分かれるところですが、、、。

このページのトップへ

[戻る] [HOME]

2001-2003 (c)FinalCutPro Unofficial.,allrights reserved.